米「入植地はイスラエル領」 中東和平案発表 難民帰還認めず

2020年1月29日 16時00分
 【ワシントン=岩田仲弘】トランプ米大統領は二十八日、ホワイトハウスでイスラエルとパレスチナの中東和平案を発表した。パレスチナの独立国家樹立を条件付きで認める一方、イスラエルによるヨルダン川西岸のユダヤ人入植地の主権を容認。トランプ氏は双方が満足できる和平案と強調するが、パレスチナ難民の帰還は認めず、エルサレムも「イスラエルの首都」とするなど、イスラエル寄りの姿勢が鮮明で、パレスチナ側は強く反発している。 
 トランプ氏とイスラエルのネタニヤフ首相が共同会見し、和平案の中身を公表した。和平案ではイスラエルとパレスチナがそれぞれ独立国家として互いに承認することを目指すと明記。その上で、イスラエルが占領するヨルダン川西岸では、97%の入植地をイスラエル領に組み込み、四年間は新たな入植を凍結する。
 AP通信によると、ネタニヤフ氏は、凍結は未入植地に限り、建設途中の家屋などは完成させる方針を示した。ヨルダン川西岸東部の「ヨルダン渓谷」では、パレスチナ側の農業活動は認めるが、主権はイスラエルとした。
 イスラエルが実効支配し、帰属問題で争うエルサレムを巡っては「引き続き東西不可分のイスラエルの首都であり続ける」と認定。パレスチナの首都は「東エルサレムに置く」としたが実際はイスラエルがヨルダン川西岸との間に建てた分離壁の外側の貧困地域が候補地に挙げられている。
 和平案はさらに、国連が帰還権を認めているパレスチナ難民のイスラエルへの帰還は認めていない。一方で、パレスチナの経済振興として約五百億ドル(五兆五千億円)規模の経済支援も提案している。
 トランプ氏は共同会見で、パレスチナのアッバス自治政府議長に「平和の道を選ぶなら、米国と他の多くの国が手を差し伸べることを知ってほしい」と受け入れを求めた。
 ネタニヤフ氏は「バランスが取れた和平案だ。イスラエルや世界にとって偉大な計画だ」とトランプ氏をたたえた。

関連キーワード

PR情報

国際の新着

記事一覧