トリトンと共に

2019年11月18日 02時00分
 「しんだいと言うと信州大、神大と書くと神奈川大。箱根の関を越えると神戸大の知名度が低い」。東京の帝国劇場地下にある神戸大学東京六甲クラブで開かれた記者会見は、ユーモアを交えて始まった。
 神戸大は二〇〇三年に神戸商船大と統合した。練習船を所有する、港町神戸らしい大学だ。会見はブランド力アップを狙って始める海神プロジェクトの説明だった。
 現在の海事科学部を海洋政策科学部に改めて文理融合の学部にするとか、新探査練習船を建造するといったことが発表された。
 海神プロジェクトのポスターには「いざ、海の神戸大学へ。」のコピーと、白いイルカに乗ったトリトンが描かれている。手塚治虫さんの作品「海のトリトン」だ。
 手塚さんは兵庫県宝塚市の出身。長女の手塚るみ子さん(手塚プロダクション取締役)は「同じ兵庫県なので、神戸への思い入れは強かった」と話す。阪神大震災後、プロダクションは神戸市に復興のシンボルとして手塚さんの作品「火の鳥」の使用を認めた。神戸は不死鳥のように繁栄を取り戻した。また、鉄腕アトムが多くのロボット研究者に影響を与えたことは有名だ。
 今度はトリトンだ。「トリトンには自然環境と人間の共存共栄が描かれている。手塚の遺伝子が引き継がれればうれしい」とるみ子さん。期待しているぞ。 (井上能行)

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