試合が終われば/驚きの連続/あの角に座ると

2020年2月21日 02時00分

岩本旭人(35)写真部記者

◆試合が終われば

 昨年のラグビー・ワールドカップ(W杯)の日本対スコットランド戦は、ベスト8をかけた大勝負だった。勝者は次戦に南アフリカと対戦。試合前に南アフリカ人カメラマンとコーヒーを飲みながら立ち話すると、「スコットランドを撮りに来た。次の相手だからね」とのこと。ふつふつと怒りが込み上げたが、笑って流した。
 試合は熱戦の末、日本の劇的勝利。歓喜のスタジアムを静かに後にする先ほどのカメラマンと目が会った。彼はばつが悪そうに、「また会おう」と苦笑いした。
 翌週、試合会場で彼と再会。結果は日本の敗戦。肩を落とす私に彼は優しく「また会おう」と握手を求めた。ピッチの脇でも小さなノーサイドがあった。

◆驚きの連続

 一昨年のサッカーロシアW杯、日本代表は初戦の地・サランスクにてコロンビアを撃破。意気揚々とキャンプ地カザンへと向かう長距離バスの道中で、事件は起きた。
 休憩時のドライブイン、あるロシア人の男性が日本人記者たちの姿を見て、なぜか激高。車に乗り込むと急発進で突っ込んできた。間一髪で避けたが、あわや大惨事だった。
 男は車から再び降り、何かをこちらに向けた。その瞬間、「パンッ」と乾いた音が。警察が駆けつける前に男は逃走。拳銃だったのか分からずじまいで、我々はカザンへ向かった。
 その他にも、野犬に酔っぱらい、鍵の閉まらないホテルと、驚きの連続…。ロシアはやっぱりおそロシア。

◆あの角に座ると

 徳勝龍の優勝で幕を閉じた大相撲初場所、両国国技館のカメラマンの間ではこんなうわさが流れた。「たんつぼ近くに座ると風邪をひく」…。
 「たんつぼ」とは、力士が取り組み前に口に含んだ力水を吐くたらいのこと。土俵下の撮影場所はたらいまでの距離が近く、最短で一メートルもない。たらいにぶつかって飛散する力水が原因では?との声もあった。
 マスクなどで自己防衛するも、横は力士で後ろは客席、距離を取ることもできず、まさに待ったなしの状態。
 インフルエンザに新型コロナウイルス、大勢の人が集まる場所だけに、衛生面での心配が募った、残った。
<いわもとあきと> 愛知県出身。2008年入社。スポーツ取材担当。高校、大学では熱血ラガーマン、現在はもっぱら撮る側に。趣味は料理、十八番は豚汁。3児の子育て奮闘中。

関連キーワード

PR情報