投稿効果?/校長の悲哀/「モテ」は呪い

2019年12月6日 02時00分

奥野斐(35) 読者部記者

◆投稿効果?

 読者部取材班の主な仕事は、情報提供や投稿欄に寄せられる声を基に、ニュースを発掘、発信すること。不妊治療の助成を巡る情報から二年前に取材した東京都葛飾区の上田めぐみさん(42)が十月、「今度はパートナーの投稿が載りました」と喜ぶメールをくれた。
 上田さんは事実婚。今春、待望の長男が生まれ、パートナーの原田仁さん(47)も一年間の育児休業を取得した。投稿は「令和の父親 育休取ろう」の見出しで、育児に関わり実感した大変さ、妻の苦労をつづった。
 「彼に投稿を見せられた時、涙がにじんで読めなかったんです」と上田さん。育休に逃げ腰だったパートナーが、共に育児をし、投稿までしてくれたことが、うれしかったという。「新聞は大切に取っておきます」。こちらも心が温かくなった。

◆校長の悲哀

 少子化といえど、児童生徒数が千人を超すマンモス校は東京都内に結構ある。今春取材した都心の小学校の副校長は「休み時間は芋洗い状態。卒業式は、いかに効率よく証書を渡せるか、時間との闘いなんです」と学校運営の苦労をにじませた。
 都内のある公立小中一貫校の五十代の校長は、法的には小学校と中学校、別々の学校の校長を兼務。「宿泊行事は年六回。PTAも、行事も、会合も二倍あるんだよ」と嘆く。
 児童生徒数は二千人近く。しかし、給料は一人分。副校長は複数人いるが、子どものトラブルや保護者対応など、校長の出番は多い。教員の過重労働が指摘される昨今。やりがいはあるというが、校長は「俺が一番ブラックかもしれないよ…」。

◆「モテ」は呪い

 LGBTなど性的マイノリティーの取材を続けている。二十代のゲイのMさんは、長身細身で物腰が穏やかな好青年。
 ある時、交際中のパートナーの話になり、Mさんに「モテるでしょ」と言うと、「モテませんよ。僕はヒエラルキーの最下層なので」と冗談まじりに返ってきた。彼いわく、いわゆる「ひげマッチョ」の男らしい男性がモテる傾向にあるらしい。
 好感度の高い彼がモテないことにも驚いたが、染み付いた自分のジェンダー感覚にハッとした。そもそも「モテ」は人を縛る呪い。解いていかなければと思う。「多様性」って難しい。
<おくの・あや> 新潟県出身。2006年入社。東京社会部を経て読者部取材班で、主に子どもやLGBT問題を取材している。趣味は書道。太筆で大きな紙に向かうのが最近の気分転換。

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