スーダン民主化デモ 軍が排除 13人死亡

2019年6月4日 02時00分
 【カイロ=奥田哲平】民主化デモが続くスーダンの首都ハルツームで三日、治安部隊が国防省周辺を占拠するデモ隊の強制排除に乗り出した。少なくとも十三人が死亡し、百五十人以上が負傷した。四月に長期独裁のバシル政権が追放された後、権力を握る軍事評議会と民政移管を求めるデモ隊がにらみ合っていたが、軍が強硬手段に出た。
 中東の衛星放送アルジャジーラによると、治安部隊は三日午前五時ごろ、実弾や催涙弾を使用し、デモ隊に突入。現地からの映像は、路上に並んでいた寝泊まり用のテントが燃やされ、参加者が逃げ惑う様子を伝えている。治安部隊は一帯の道路を封鎖した。
 デモ参加者のIT技術者ワエル・サラマさん(38)は、電話取材に「夜明け前の礼拝が終わって寝ようとしていた時、四百~五百台の軍用車両が集まり、突然雨のような銃撃を始めた。逃げる途中で治安部隊に長い棒で殴られた」と話した。
 民主化勢力は「抗議活動を解散させるための危険な試みで、われわれは虐殺の危機に直面している」と非難声明を出し、今後の交渉を拒否。軍事評議会側は「犯罪集団がデモ隊に加わるのを防ぐため」と強制排除を正当化した。
 バシル大統領の追放以降、軍事評議会と民主化勢力は、断続的に民政移管について協議。先月十五日には三年間の移行期間を設けることで合意した。だが、軍民双方で構成する「統治評議会」の人選を巡り対立。軍側は同評議会トップの座を譲らず、先月三十日には「座り込みは安全保障上の脅威」と警告し、情勢は緊迫していた。
 国連のグテレス事務総長は三十一日に「早急に文民主導の政権移管を結論付けるべきだ」と促したが、軍事評議会のブルハン議長は五月に後ろ盾のエジプト、アラブ首長国連邦(UAE)、サウジアラビアを相次ぎ訪問。軍政を敷く既成事実化を進めていた。

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