聖火待つ東京の注目スポット 共生、平和 願い込め

2019年12月18日 02時00分
 共生社会実現や平和への願いを込めて-。五輪開催都市・東京の聖火リレーは渋谷・スクランブル交差点や東京スカイツリーといった人気スポットだけでなく、戦争遺構なども巡るコースになった。都内のリレーは来年7月10日に始まり、開会式当日の24日までの15日間で都内全62区市町村の全長240キロを回る。ランナーは一般公募で選ばれた人や区市町村が推薦したスポーツ選手、著名人ら。都内だけで1200~1300人になるという。来年3月26日の聖火リレーのスタートまで、18日で残り100日-。

多くの人が行き交う渋谷のスクランブル交差点

渋谷区・スクランブル交差点

世界から人 安全確保

 渋谷区のリレーは渋谷スクランブル交差点を通過する。昼夜を問わず人と車が絶えない日本一有名な交差点は、年末カウントダウンなどには大混雑となる。
 区オリンピック・パラリンピック推進課長の田中豊さんは「一九六四年大会のルートは恵比寿方面だった。今回は渋谷の真ん中や住宅の方で、とお願いしていた。世界中から人が集まる観光名所を聖火が通るのはすばらしい。安全確保の大変さは承知している。実行委などと連携し、安全を担保していきたい」と話す。

タワービュー通りから見たスカイツリー

墨田区・東京スカイツリー

頂点の大会 盛り上げ

 墨田区では東京スカイツリーの足元を聖火ランナーが走る。区の担当者は「東京のランドマークの一つなので走ってほしかった」とコース決定を喜んだ。
 高さ六百三十四メートルの威容を誇るスカイツリーは、外国人観光客にも人気。彼らにとって、スカイツリーと聖火は東京五輪を象徴する一コマになるかもしれない。運営会社の大和雅幸さん(46)は「トップアスリートが世界一を目指す大会を、世界一高いタワーのスカイツリーも盛り上げていきたい」と意気込む。

東村山市・多磨全生園

交流増やすきっかけ

 東村山市のセレブレーション会場となる国立ハンセン病療養所多磨全生園。入所者の藤田謹三さん(81)は「大勢の人と交流するきっかけになればうれしい」と、共生社会への弾みになることを期待する。
 園では一九六四年の前回東京五輪前から、地域との交流は進んできたが、社会全体の理解はまだ道半ばだ。聖火リレーで、園が遠かった人にも足を運んでもらえれば-。藤田さんはそんな思いも込めて「聖火リレーをどう盛り上げるか。これから考えたい」と語る。

外壁に無数の弾痕が残る旧日立航空機変電所

東大和市・旧日立航空機変電所

戦争の現実 発信する

 東大和市のゴールとなる都立東大和南公園には、戦争遺構の旧日立航空機変電所がある。コンクリートの外壁には機銃掃射や爆撃でできた生々しい跡が残り、戦争の現実を今に伝える。
 変電所は1938年、航空機エンジン製造工場の一部として建設された。45年にあった3度の空襲で、従業員や動員学生、周辺住民ら111人が犠牲に。東大和・戦災変電所を保存する会の会長小須田広利さん(73)は「平和の尊さを世界に発信するきっかけにしたい」と期待する。

関連キーワード

PR情報

五輪聖火リレーの新着

記事一覧