コロナ禍の瀬戸際乗り越え22年W杯へ 代表専属シェフの思い

2020年5月27日 07時51分

日本代表専属シェフとして知られる西芳照さん=2019年2月、福島県いわき市で

 サッカーの国際Aマッチは新型コロナウイルス禍により、各大陸でワールドカップ(W杯)予選などの中断が続く。日本代表の専属シェフ、西芳照さん(58)にとっては、アジア予選を戦う日本を支える機会も今はない。早期に日常が戻ることを望みつつ、「次のカタールが代表での最後でしょう」と口にする。2022年W杯カタール大会を最後に、職場の若い料理人らに後を託したいという。
 日本協会の依頼を受けて04年から代表チームの海外遠征に同行し、W杯は06年ドイツ大会から4大会連続。広大なアジアを行き来する予選など、遠征先で選手の体を考えた食を提供してきた。
 食材入手や現地への発送準備、調理など全力を尽くす姿に選手からの信頼も厚いが、体力的なこともあり、カタール大会後は後継に譲ろうと昨年から決めている。一方でアジア・チャンピオンズリーグに参戦するJクラブのサポートについては「声がかかれば」と自ら続ける意向だ。
 地元福島県で30人ほどの雇用を持つ。原発作業員らが働く企業の食堂にも関わり、地域が衰退しないようにとオーナーが撤退した店舗を採算度外視で引き継いだ店もある。
 そんな中、コロナ禍で本業も揺らぐ。いわき市内の直営店のテークアウトなどでしのいできたが、収入は「(通常の)2割ぐらい。つぶれる瀬戸際」。雇用を守りながらの厳しい経営は続くが、Jクラブのサポーター有志らが西さんの料理のパック詰めの購入者を募ってくれたり、日本協会から新規の依頼などを含めた連絡もあったという。
 日本のW杯予選は今年3月と6月の日程が先送りされたまま再開のめどは立っていないが、西さんは前を見据え、日本を再びサポートする日を待つ。 (上條憲也)

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