ロシアで世界初の洋上原発が商業運転始める

2020年5月27日 08時07分

昨年8月、ロシア西部ムルマンスクで出港を待つ船舶型原発「アカデミク・ロモノソフ」=共同

 【モスクワ=小柳悠志】ロシア国営原子力大手ロスアトムは、極東チュコト自治管区ペベク沖の北極海で、世界初の船舶型原発「アカデミク・ロモノソフ」の商業運転を始めた。洋上から沿岸の街に電力と熱を供給する仕組みだが、環境団体から事故の危険性も指摘されている。
 アンドレイ・ペトロフ主任ディレクターは商業運転に際し「今回の稼働によって世界最北の原発が誕生した」とのコメントを発表した。商用原発としてはロシアで11番目。
 船の長さは144メートルで出力3万5000キロワットの原子炉2基を搭載し、熱供給も可能。昨年8月に西部ムルマンスクを出港、ペベクの港に停泊し、12月から試験稼働を進めていた。北極圏では、鉱物資源開発が進められている一方、厳しい寒さと資材搬入の難しさから新たな発電所の建設は膨大な費用がかかる。近年、北極海の軍事的な重要度も増しており、ロシアは船舶型原発を沿岸でのエネルギー供給の切り札にしたい考えだ。
 一方、環境保護団体グリーンピースは「海のチェルノブイリ」と批判している。ロスアトムはアカデミク・ロモノソフが疫病への備えや環境保護、火災対策で国の基準を満たしていることを強調。ロシア通信は「原子力分野で歴史的な出来事」と報じている。

関連キーワード

PR情報