デフォルトで思い出す

2020年5月27日 08時55分
 アルゼンチンが先週、デフォルト(債務不履行)に陥った。ドルなど外貨建て国債の返済ができなかった。といっても二〇一四年以来、九回目の事態だ。
 デフォルトはいわば借金の踏み倒しである。ある金融関係者は「ひんぱんに借金が返せなくなるのに、なぜ資金を貸す金融機関がいるのか」と不思議がっていた。
 このニュースを知った後、三月に別の国で起きたデフォルトを思い出した。
 レバノンである。元々、隣国シリアの内戦の影響で経済状態は悪かった。コロナ禍による原油安で湾岸諸国の景気が悪化したことも響いた。貧富の差は極端になり、激しいデモが頻発して社会不安も広がっている。
 貧富の差で思い出したのは、保釈中にレバノンに逃げた日産自動車元会長のカルロス・ゴーン氏である。首都ベイルートで妻とワインを楽しむ写真が記憶に新しい。今も貧富の差などには目もくれず、邸宅で優雅な逃亡生活を満喫しているはずだ。
 ゴーン氏は現地でも会見を開くなどして日本の司法制度を批判している。確かに制度には多くの問題があり改革は必要だ。ただ違法に逃げた人物にいわれる筋合いはない。
 レバノンにも多くの国や金融機関が資金を貸しているが返還は難しい情勢だ。もっとも逃亡者の「返還」だけ別枠で考慮してもらえないだろうか。(富田光)

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