<新型コロナ>無償弁当 日本人への感謝 「苦しい時、助けられた」中華料理店主李さんが提供

2020年5月28日 07時09分

無償弁当を手渡す李さん(左)

 墨田区の中華料理店「三巴湯(さんばたん)火鍋」(錦糸二)の店主李星海さん(44)が、緊急事態宣言が発令された先月から、無償で弁当の提供を続けている。現在は一日五百食で、これまでに一万食以上。宣言は解除されたが、六月二日まで続ける。中国・遼寧省出身の李さんは「苦しい時、日本人に助けられた。恩返しです」と語る。(砂上麻子)
 宣言解除の翌二十六日、弁当提供は午前十一時半からだが、一時間前には三十人以上が列をつくった。一人一個で、この日のおかずの種類は、唐揚げ、回鍋肉、麻婆ナスなど。李さんが一人一人に手渡していく。小学校二年生の子どもら三人と並んだ区内の主婦(39)は今月中旬から毎日訪れており、「おいしい。学校の給食がないので、作らなくていいので助かります」。
 昼に準備した三百食は、約一時間で配布を終了。午後五時からも二百食を配った。

提供されている無償弁当=いずれも墨田区で

 李さんは、一九九八年に日本語学校に通うために来日。日本の貿易会社に勤務していた際、中国・天津の有名な火鍋料理の店「三巴湯火鍋」を知る。本場の味を提供したいと、二〇一三年に錦糸町駅近くに出店。現在は新宿と二店を経営している。
 四月七日の緊急事態宣言で、店は営業を自粛。常連客から「テークアウトはないのか」と問い合わせが相次ぎ、常連客のために弁当二百食を無償で配ると、予想以上の人がこれらを求めて店を訪れた。「困っている人が多くいる」と感じ、同十四日から昼夜合わせ五百食に増やした。
 食費、材料費は一日約十万円。政府の助成金などを充てて続けてきた。無償提供を知り、野菜や肉、弁当容器の提供など支援も相次ぐ。李さんは「店を始めたころ、私も周りの日本人から助けてもらった。日本は人が優しい。コロナで困っている時だから、互いに支え合い、頑張っていきたい」と話している。
 弁当の提供は土、日曜日休み。

◆ひとり親家庭に笑顔を届けたい 高円寺の3飲食店 きょうとあす提供

「地元と信頼を築きたい」と永山さん=杉並区で

 杉並区のJR高円寺駅周辺の飲食店三店が、ひとり親家庭を応援しようと二十八、二十九の両日、無償で弁当を提供する。一世帯二食までで、両日とも各店二十食。希望者はそれぞれの店に予約し、昼に店で受け取る。
 「高円寺イタリア食堂Bungo」の代表、永山一志さん(48)が発起人となり、子どもの好物をメニューでそろえた。同店はハンバーグ弁当、「炭火焼肉ホルモン三四郎 高円寺店」はカルビ弁当、「フランス食堂 ビストロ ラポムドパン」はエビフライ入りの洋風幕の内弁当を提供する。
 緊急事態宣言で、永山さんの店は売り上げが約七割減ったが、「テークアウトを始め、地元の人が買ってくれているから持ちこたえている」という。
 少しでも地元への恩返しをしようと企画した。永山さんは「ひとり親家庭は大変と知っている。少しでも笑顔にしたい」と話している。
 問い合わせは、Bungo=電03(3337)1066、三四郎高円寺店=電03(5929)8629、ラポムドパン=電03(5929)7756。(三輪喜人)

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