登戸殺傷1年 事件忘れず、活動強化 3カ月ぶり「見守りの日」再開

2020年5月28日 07時09分
 川崎市多摩区で私立カリタス小学校の児童ら二十人が殺傷された事件は、二十八日で発生から一年となる。多摩署と多摩区役所は、事件を忘れず子どもたちの安全を第一に見守ろうと、毎月二十八日を「多摩区子ども見守りの日」に指定。この一年間、地域住民らと協力して区内に十五校ある小学校の登下校時に、児童の見守り活動を強化してきた。(安田栄治)
 新型コロナウイルスの影響で市内の小、中学校などは三月から休校状態が続き、二十八日の見守り活動は四月まで休止した。しかし、署は学校に限らず、子どもが集まる公園の周囲などの巡回を強化してきた。国の緊急事態宣言の解除を受けて小学校などが分散登校を始めたため、二十八日は三カ月ぶりに見守りの日の活動を再開する。
 署は事件後、会員制交流サイト(SNS)のツイッター公式アカウントで、不審者情報を充実した。不審者が出たとの情報がある地点を示した区の地図の掲載は新たな取り組み。地図は登下校時間帯の午前七〜九時、午後二〜六時と、終日版の三種類がある。発生場所や不審者の細かな情報も発信して注意喚起を促している。
 事件から一年を迎え、同署の倉林徹署長は「子どもたちが無事に登校し、無事に帰っているのが見守り活動の成果。これからも子どもたちが笑顔で通学できる環境をつくり、保護者の方々に安心感を与えたい。署員はわが子を見守るような気持ちでやっています」と述べた。
 区役所は「防犯パトロール中」というステッカーを作り、区のパトロール車のほか、郵便局や関連団体の協力で配達車などの車体にステッカーを貼って防犯活動を強化している=写真(多摩区役所提供)。
 区危機管理担当の伊藤公一課長は「地域住民や、郵便局、消防署にも協力していただき、消防車は移動の際に学校の近くを迂回(うかい)してくれている。子どもの見守り活動に終わりはない。皆さんの地道な活動に支えられている」と頭を下げる。
 事件は、昨年五月二十八日朝、多摩区登戸新町の路上でスクールバスを待っていた児童や保護者が男に包丁で切り付けられ、六年の児童と別の児童の保護者が殺害され、児童ら十八人が重軽傷を負った。容疑者の男は事件直後に現場で自殺。容疑者死亡のまま書類送検され、横浜地検は不起訴とし、動機は解明されていない。

◆「さらに地域連携」 市長

 川崎市の福田紀彦市長は事件から一年に当たってのコメントを出した。
 殺害された二人に哀悼の意を表した上で、「事件を契機に多摩区では地域の見守り活動が強化され、市もスクールガードリーダーの増員など、子どもの安全を守る取り組みを進めてきた。市をはじめ関係機関や地域の皆さんが多面的かつ重層的に関わる必要がある。事件を教訓にさらに地域の連携を強化していく」とした。

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