<新型コロナ>古布回収 休止相次ぐ 海外工場停止で各自治体 量が急増「家庭で保管を」

2020年5月28日 07時11分

連日、大量に持ち込まれ、問屋の倉庫内に積み上げられた古着などの古布=千葉市中央区で

 新型コロナウイルスの影響で、県内で古着などの古布の回収を一時休止する自治体が相次いでいる。海外の工場が操業停止するなどし、輸出できなくなった古布が保管場所で満杯になっているため。各自治体は当面の間、家庭で保管するよう協力を呼び掛けている。(太田理英子)
 古布の定期回収や集団回収の一時休止を決めたのは、千葉市や市川市、浦安市。松戸市と長生郡市広域市町村圏組合、香取広域市町村圏事務組合は、回収を続けるが、古布のごみ出しを極力自粛するよう要請する。
 六月一日から休止する千葉市では、もともと古布は週一回の定期収集と、町内会やPTAによる集団回収を実施。問屋など市内外十数カ所の保管場所に集められ、東南アジアや韓国の工場に送られ、リサイクルされている。
 市再資源化事業協同組合によると、新型コロナウイルス感染拡大のため、三月ごろからマレーシアやフィリピンで都市封鎖(ロックダウン)が始まり、リサイクルのための選別をする工場が操業停止。古布を再生してつくる工業用ぞうきん「ウエス」も売れず、国内の保管場所で古布の在庫が一気にたまったという。
 一方で、同市が四月に定期回収した古布は約百トンで、昨年同月を三十トン近く上回った。五月はもともと衣替えで布類のごみが増えやすく、外出自粛期間も重なったことで例年を大きく上回る見込みだ。
 市内外の保管場所では、かごに収まり切らず床に積み重ねているところもある。市内の問屋の関係者は「通常の回収量は一日五百〜八百キロなのに、連休中は二トンに上った日もあった。もう限界」と嘆く。
 梅雨が始まれば、在庫分が湿気を含み、かびが生えてしまう恐れもある。組合の担当者は「焼却せず資源に変えていくためには、回収を止めざるをえない。市民には不便をかけてしまうが、ご理解頂きたい」と訴える。

◆保管場所不足 全国で深刻化 行政に倉庫借り上げ要請も

 古布の回収休止の動きは全国でも広がる。東京都リサイクル事業協会によると、国内で回収された古布の約75%はアジア圏を中心とした海外へ輸出。選別後、古着として販売されるほか、断熱材などの資材に加工される。現在は海外市場の流通停滞で、各地で保管場所不足が深刻化している。
 古布のリサイクルは古紙と違い、手作業で約百三十種もの選別を行うため、もともと在庫がたまりやすい。本来はカビや劣化を防ぐため、長期間の保管も避けているという。
 同協会などは四月下旬、東京都内二十三区や多摩地域の自治体に、倉庫の借り上げなど保管場所確保への支援を要請した。同協会の担当者は「流通の正常化は夏ごろになる可能性がある。秋には夏物の衣替えのシーズンを迎えてしまうので、在庫を支え切れるのか心配」と話す。県内でも行政に保管場所確保を求める声があるという。

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