緊急事態条項めぐり与野党論戦 今国会で初の衆院憲審査会

2020年5月29日 07時29分
 衆院憲法審査会が二十八日、今国会で初めて開かれ、与野党各会派が自由討議を行った。自民党は、新型コロナウイルス感染拡大を契機として非常時の国会機能に関する議論の必要性を強調。大規模災害時などに国会議員の任期延長や内閣の権限強化を可能にする緊急事態条項を新たに設ける改憲に意欲をにじませた。立憲民主、国民民主、社民などの野党共同会派は「緊急事態条項の議論は不急だ」と反発した。検察官の定年延長を巡っても、与野党から意見が出た。 =発言要旨<4>面
 自民党の新藤義孝氏は、緊急事態条項の創設などを盛り込んだ四項目の党改憲案を紹介。「今般の新型コロナの感染拡大を受け、国会議員の任期に関する議論が早急に必要ではないか」と指摘した。日本維新の会の馬場伸幸氏も「有事に政府権限を強め、国会機能を維持するための緊急事態条項を創設する議論は待ったなしだ」と強調した。
 立国社の辻元清美氏は「まず法律で対応することが国会議員の責務」と緊急事態条項の必要性を否定。奥野総一郎氏も現状での議論を「不要ではないがコロナ禍で不急だ」と語った。
 共産党の赤嶺政賢氏は、黒川弘務・前東京高検検事長の定年延長問題を「内閣が検察の人事まで左右しようとするもので、三権分立を脅かす重大な事態だ」と批判し、安倍政権下での改憲に反対した。自民党の石破茂氏は「検察庁法は憲法秩序の一角をなすものだ」と語り、検察を巡る問題も憲法論議のテーマになるとの考えを示した。
 与党側は討議の中で、投票の利便性を公職選挙法とそろえるための国民投票法改正案の早期採決を呼び掛けた。これに対し立国社は採決を前提とせずに国民投票時のCM規制に関する議論を進めるよう求め、折り合わなかった。 (井上峻輔)

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