マンション価格どうなる? 消費者43%が「購買意欲下がった」

2020年5月30日 07時08分

オンラインでモデルルームがみられる「おうちでモデルルーム」を始めた不動産会社も=野村不動産アーバンネット提供

 新型コロナウイルスの感染拡大で物件の内覧などが困難になり、首都圏の住宅市場が急速に冷え込んでいる。四月に売りに出たマンションは新築、中古とも前年同月比で記録的に落ち込んだ。非常事態宣言の解除で一部の不動産会社は三十日から通常営業を再開、オンラインでのモデルルーム公開なども始めたが、消費者の購買意欲は低下傾向だ。 (池井戸聡)
 不動産経済研究所によると、四月の首都圏(東京、神奈川、埼玉、千葉の各都県)の新築マンション発売戸数は前年同月比51・7%減の六百八十六戸で、一九七三年の調査開始以来、単月としては最低となった。多くの物件の発売が先送りされており、同研究所は「五月は五百戸まで減り、最低記録を更新する」と予想する。
 中古市場も落ち込んでいる。売りに出た中古物件が登録される東日本不動産流通機構によると、四月に首都圏で新規登録された中古マンションは18・0%減の一万四千四百四十五戸。契約に至った成約件数は52・6%減の千六百二十九件だった。成約件数の下落率は一九九〇年五月の同機構発足以降、過去最大になった。
 消費者心理も悪化している。不動産サイト「住まいサーフィン」を運営するスタイルアクト(東京)が四月に「直近三カ月に新築マンション販売所を訪れた人」を対象に実施したアンケートでは、コロナ禍で「購買意欲が下がった」と答えた人が43・5%に達した。経済情勢の悪化に加え、外出の自粛で内覧は難しい。
 危機感を強めた業界は、オンラインで消費者と接点を持とうと懸命だ。首都圏の新築三物件で「おうちでモデルルーム」を始めたのは野村不動産アーバンネット。インターネットから申し込めばオンラインでモデルルーム内の動画がみられ、営業担当者と個別に話もできる。東急リバブルは中古物件の内覧希望者に室内を「実況中継」する「オンライン接客」を始めた。
 ここ数年で大幅に上昇した首都圏の新築・中古マンション価格だが、スタイルアクトの四月の調査では「一年後は下がる」と予想する消費者は52・5%に達し、一月からほぼ倍増した。
 同社の沖有人(おきゆうじん)社長は「コロナ禍で個人所得が減れば、消費者が購入できる住宅の価格帯は下がることになる」と指摘。一方で「取引量が減れば価格は大きくは下がりにくい。マンションは当面、緩やかに値下がりするが、下落幅は一〜二割程度にとどまる」とみる。

関連キーワード

PR情報