「東京アラート」発令レベル 懸念抱えてステップ2へ

2020年5月30日 07時09分

「ウィズコロナ宣言」のボードを掲げる東京都の小池百合子知事=29日、都庁で

 新型コロナウイルス対策に伴う東京都の事業者への休業要請緩和が六月一日から、第二段階の「ステップ2」に移る。一方で都内では二十九日に新規感染者二十二人が確認され、半月ぶりに二十人を超えた。都民に警戒を促す「東京アラート」発令の検討水準に達しており、「第二波」の懸念が拭えないまま、感染防止と経済回復の両立に都は難しいかじ取りを迫られる。 (小倉貞俊、岡本太)
 「闘いは長期にわたり『コロナとともに生きていく』との認識が必要だ。道のりは簡単ではない」。二十九日の記者会見で小池百合子知事は「ウィズ コロナ宣言」と書いたボードを掲げ、新型コロナウイルスと共存していく生活様式に理解と協力を求めた。
 休業要請緩和のステップ1に入ったのは二十六日。「二週間単位をベース」としていた各ステップの移行期間を待たずに次に進むとした決断の背景には、都内の経済活動の停滞がある。各業界団体からは早期の緩和を求める要望が相次ぎ、「もう持たない」「廃業の危機」などの悲鳴が上がっている。
 二十八日夜に開かれた専門家らによる審議会では「二週間待つべきだ」との意見も出たが、最終的に「感染状況の把握が難しい状況ではなく、移行は妥当」との結論でまとまった。
 ただ、一桁の日が目立つようになっていた都内の感染者数は、同日まで三日連続で十人以上になり、小池知事も二十九日の会見で「最近少し数が増えてきている。若干心配はある」と話した。庁内には感染拡大への懸念から慎重論もあり、「(移行は)経済を含めた総合的な判断だ」との声も漏れる。
 都は新規感染者数など三つの目安が一つでも超えた場合、医療提供態勢なども考慮してアラートを出す。二十九日時点で目安は二つが超過。都の担当者は「週明けの状況を踏まえて検討する」とした。

◆迷わず発令を

<医師で医療ジャーナリストの森田豊さん> 緩和の要件は海外でもばらばらで正解はなく、判断は難しい。都内の感染状況は長期的には落ち着いており、ステップ2移行の判断は理解できる。今後は感染再拡大の兆候を見逃さず、機動的に対応することが重要。必要なら迷わず「東京アラート」を出し、警戒を呼び掛けるべきだ。

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