トランプ氏「検閲だ」 ツイッターの監視強化を批判

2020年5月30日 07時11分

28日、米ホワイトハウスで、大統領令に署名する際に発言するトランプ米大統領=UPI・共同

 【ワシントン=白石亘】トランプ米大統領は二十八日、ツイッターなど会員制交流サイト(SNS)の法的保護を制限する大統領令に署名した。自らの投稿に対する監視強化は保守派への検閲だとしてけん制する狙いだが、実効性は不透明。一方、米政界では保守派に限らず、巨大化したIT企業への法的保護に厳しい目が注がれている。
 「一握りのSNSの独占企業が、公私を問わず米国のコミュニケーションの大多数をコントロールしている」。トランプ氏はホワイトハウスの署名式でこう語り、「検閲で反対意見を黙殺しようとしている。言論の自由を脅威から守る」とツイッターを批判した。
 郵送投票に関する投稿に、事実確認を促す警告をしたツイッターに反発し、規制強化に動いたトランプ氏。「検閲防止」をうたう大統領令では、ユーザーの投稿からSNSの法的責任を免除している法律の運用方法を見直す。投稿を不当に制限すれば、免責の範囲を縮小したり、訴訟で責任を追及することを検討する。
 主要メディアと敵対するトランプ氏はツイッターをメガホン代わりに使い、八千万人のフォロワーに自らの主張を直接届けてきた。大統領選まで半年を切る中で、ウイルス対策で集会も開けず、SNSは選挙戦の主戦場になっている。そんな中、ツイッターが「世界中の選挙に関し、不正確な情報に警告する」と投稿の取り締まり強化に乗り出したのに対抗する狙いだ。
 ツイッターは「オンライン上の言論とネットの自由の未来を脅かす」と反発。業界団体も表現の自由を保障した「憲法違反だ」としており、差し止め訴訟が起こされる公算が大きい。また、法律の見直しは大統領令だけではできず、議会の協力も必要で、実効性があるか不透明だ。
 ただIT業界の法的保護を見直す動きを巡っては、風向きの変化も感じさせる。保守派は元々、リベラルな従業員が多いSNSによる検閲に疑念を募らせてきたが、バー司法長官は二十八日、「当初の意図を超えて法的保護が用いられているとの見方は超党派にある」と語った。
 免責規定ができたのはインターネット黎明(れいめい)期の一九九六年。掲示板のサイト運営者が投稿を巡る訴訟を回避でき、ユーザーのコンテンツを主体とするネットの成長を支えた法的枠組みだった。だが、四半世紀が過ぎIT企業は大きな力を持ち、有害なコンテンツの責任が問われることも増えた。民主党のバイデン前副大統領も今年一月、米紙に「法的保護を取り消すべきだ」と語り、左右両派から圧力が強まる。

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