「基地ノー」vs「経済」 辺野古巡る民意争点 沖縄県議選

2020年5月30日 07時12分

米軍普天間飛行場の移設先として埋め立てが進む、沖縄県名護市辺野古の沿岸部=4月

 二十九日に告示された沖縄県議選は、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設に影響を与える。新基地建設阻止を掲げる玉城デニー知事を支える社民、共産両党など「オール沖縄」は過半数を維持し、知事選や県民投票などに続いて新基地反対の民意を政府に突き付けることを目指す。一方、自民、公明両党などは経済活性化を訴え、過半数獲得と政府の後押しを狙う。 (山口哲人)

◆不要不急

 「新型コロナウイルスの感染拡大で経済状況が厳しい中、辺野古は不要不急の工事だ。その予算をコロナ対応に充てるべきだ」。社民党沖縄県連委員長で県議の照屋大河(たいが)氏は本紙の取材にそう力を込めた。
 「オール沖縄」側は近年、全県を対象にした選挙などで勝利を続けている。二〇一八年に翁長雄志(おながたけし)氏の死去に伴う知事選で玉城氏が初当選。一九年二月の新基地建設を巡る県民投票では「反対」が七割を超えた。同年七月の参院選沖縄選挙区も立憲民主、国民民主、共産、社民の野党統一候補が議席を得た。
 照屋氏は県議選を「安倍政権の評価が問われる選挙だ」と位置づける。過半数を維持して新基地反対の流れをつなぎ、玉城氏とともに政府に「辺野古NO」を迫るつもりだ。

◆民意より工事

 政府は何度反対の民意が示されても、辺野古新基地建設に固執してきた。コロナの感染が拡大しても、現地の工事関係者に感染者が出た四月中旬まで作業を続行。河野太郎防衛相は五月二十九日の記者会見でも「受注者らと調整し、工事を再開していく」と工事を急ぐ姿勢を鮮明にした。
 埋め立て予定地で軟弱地盤が見つかっても、推進姿勢には「全く変わりはない」(防衛省幹部)。工期は延びて普天間返還は日米合意の「二二年度またはその後」から三〇年代以降にずれ込む。総工費は当初計画の二・七倍の約九千三百億円に膨れる見込みだ。
 政府は四月下旬に軟弱地盤の改良に伴う設計変更を県に申請。県が感染症対応に追われる最中だった。

◆自粛ムードの中で

 現在、定数四八(欠員二議席)の県議会で知事支持派は過半数の二十五を上回る二十六議席。知事支持派が過半数を割れば、県が国相手に裁判を起こす際などに、議会の了承を得られない可能性が出てくる。
 自民、公明などは二十議席。自民党沖縄県連会長で県議の中川京貴(きょうき)氏は本紙に「経済復興や観光政策を中心に訴える」と新基地建設の争点化を避けて議席の上積みを狙う方針を明かす。
 選挙運動は、自粛ムードが残る中での対応となる。四月下旬から出されていた外出自粛と休業要請が解除されたばかり。「ポスターものぼり旗も控え静かな状態」(照屋氏)、「選挙をやっている場合ではないとの声も多く、総決起大会もできなかった」(中川氏)。激しい争いは水面下で繰り広げられることになる。

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