白人警官に首を押しつけられ黒人男性死亡 全米で抗議

2020年5月30日 07時12分

28日、米ニューヨーク・マンハッタンで、警官隊とにらみ合うデモ参加者ら=赤川肇撮影

 【ニューヨーク=赤川肇】米中西部ミネソタ州ミネアポリスで二十五日、丸腰の黒人男性が白人警官にひざで首を組み敷かれた末に死亡する事件があり、抗議活動が全米各地に広がっている。ミネアポリスでは連日のデモで一部が暴徒化、略奪や放火が発生し、警察署も炎上。ワルツ州知事は二十八日、非常事態を宣言し、州兵の展開を命じた。
 「お願いだ、お願いだ…。息ができない」。ひざ立ちする警官と舗装路の間に首を挟まれ、ジョージ・フロイドさん(46)がうめき声を上げる。やがて動かなくなる。居合わせた人が撮影したこの動画がインターネットで拡散した。警官に膝で押さえつけられた時間は八分以上に及んだという。
 警察は当初、偽札使用の通報で駆けつけ、容疑者とされたフロイドさんが「抵抗した」と発表したが、動画の拡散を受けて現場にいた警官四人を解雇し、遺族に謝罪。トランプ大統領は司法省と連邦捜査局(FBI)に捜査を求めたとツイッターで明らかにした。
 米国では白人警官による黒人への過剰な公権力の行使が繰り返し問題になるが、刑事訴追に至る例は多くない。東部ニューヨークで二〇一四年、丸腰の黒人男性=当時(43)=が白人警官に逮捕時に首を絞められ死亡した事件では、連邦地検が一九年、首絞めの故意を認めるには「証拠不十分」として訴追を見送った。
 そのニューヨークでも二十八日、フロイドさんの死に抗議する集会があり、若者を中心にマスク姿の約百人が「私たちは人間だ」「あと何人死ねばいいのか」と声を上げた。一部の参加者が警官隊に詰め寄り、身柄を拘束される人もいた。
 新型コロナウイルスによる黒人の感染率や死亡率の高さが浮き彫りになる中、集会に参加した音楽家の黒人女性(22)は「狭い場所に住み、感染拡大のさなかも働かなければならない不平等と差別は明らか。警察による差別も同じ問題で、根本的改革が必要」と憤った。

25日、米ミネソタ州ミネアポリスで、ジョージ・フロイドさん(下)の首を膝で地面に押し付ける白人警官=DarnellaFrazier、AP・共同

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