<新型コロナ>防護シールドを独自改良 江戸川 清掃事務所の「工場長」松繁さん

2020年5月30日 07時13分

完成した「防護シールド」の2号機と松繁さん=江戸川区で(区提供)

 新型コロナウイルスのPCR検査で鼻腔(びくう)から検体採取する際、飛沫(ひまつ)による感染リスクを低くする「防護シールド」を、江戸川区が独自に作っている。担当するのは、葛西清掃事務所職員の松繁一友(52)さん。試行錯誤を重ねた二号機が二十六日に出来上がり、軽症者を受け入れる区の宿泊施設「ホテルシーサイド江戸川」(臨海町六)へ搬入され、感染第二波に備えている。(井上幸一)
 区によると、通常のシールドは主に段ボールを組み立て、患者と医師らの間に置いて使う。中央に顔が見える窓があり、手袋をはめて検体を採取することから、防護服は使い捨てにしなくて済む。区でも当初、段ボールのシールドを使っていたが、耐久性に難があることなどから、松繁さんが改良に着手した。
 五月上旬に完成した一号機は、アルミ複合板を採用し、持ち運び可能なまま耐久性を強くした。現場の医師たちと話し、松繁さんはさらなる改良をしようと、窓を広げ、腕を出す位置を変えられるようにした二号機を生み出した。
 松繁さんは、一九九一年に運転手として採用され、今は主に清掃車などの整備を担う。これまで、子どもたちの環境学習の一助にと、中が透けて見えるごみ収集車も自作。コロナ禍では、仕切りを設けるなどして患者移送用の公用車を感染防止仕様にした。
 同僚らから「工場長」の愛称で呼ばれているという松繁さんは、区の担当者から依頼されたシールドの改良も快諾。「患者対応の現場を自分も支えたいという気持ちで挑んだ。今後もお手伝いできることがあれば力になりたい」と話している。
 区では、検査から療養まで、切れ目なく新型コロナの患者を支援できる態勢を整えており、感染者増に対応し、区立のシーサイド江戸川と民間の「ホテル ルミエール 葛西」(中葛西五)を軽症者用療養施設として開設。PCR検査室を設け、療養の終了を見極めるなどしてきた。二十八日現在、両施設で過ごしている患者はいないという。

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