トランプ大統領、WHO脱退を宣言 香港優遇も廃止へ

2020年5月30日 14時17分

29日、米ホワイトハウスで中国への対抗措置を発表するトランプ大統領=UPI・共同

 【ワシントン=金杉貴雄】トランプ米大統領は二十九日、反政府活動を禁止する「国家安全法」を香港に導入すると決定した中国への対抗措置として、香港を優遇してきた特別措置の廃止手続きを始めると表明した。新型コロナウイルスへの対応を批判してきた世界保健機関(WHO)についても「中国寄り」の姿勢に改善がないとして、関係を断絶して脱退を宣言した。
 トランプ氏は二十九日、ホワイトハウスで中国政策について会見。香港への国家安全法の導入決定について「香港の高度な自治が失われた。中国は『一国二制度』を『一国一制度』に変えた」などと断定。米国が一九九七年の香港返還後も関税やビザ(査証)発給などで中国本土より優遇してきた措置を見直す手続きに入ると明らかにした。
 優遇措置の見直しについて「犯罪人引き渡し条約から輸出管理などに至り、例外はほとんどない。われわれの行動は強力になるだろう」と強調した。
 さらに「香港の自治侵害に直接、間接に関与した中国と香港の当局者」に制裁を科す方針も表明。米国から中国企業の締め出し強化を示唆し、米大学による研究を守るため「安全保障上の脅威」があると見なした中国人大学院生らの入国を拒否する考えを示した。
 新型ウイルスを巡っても「中国による隠蔽(いんぺい)」で「感染拡大が引き起こされ、米国で十万人以上が死亡し、世界中で深刻な経済的な損害が生まれている」と非難。WHOは「中国が完全に支配している」と指摘し、WHOへの資金拠出を他の国際公衆衛生活動に振り向けると表明した。
 米国はWHOへの最大の資金拠出国で、新型ウイルス封じ込めに向けた国際的取り組みの停滞を懸念する声が上がっている。

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