不妊治療費の支援を拡充 パブコメが後押し、少子化対策大綱に追加

2020年5月30日 14時15分
 政府は二十九日、二〇二五年までの少子化対策の指針となる「少子化社会対策大綱」を閣議決定した。児童手当の拡充の検討など子育て世代への経済的支援の充実を打ち出した。高額な不妊治療費の支援を求める声が、パブリックコメント(意見公募)で多く寄せられ、大綱原案にはなかった医療保険の適用拡大を検討する方針が追加された。
 内閣府によると、今月二日から十日間の公募期間に寄せられた約三千八百件の意見のうち、半数近い約千七百件が不妊治療に関連していた。大綱は治療費の負担軽減を図るため、二〇年度に実態把握の調査を実施すると明記。複数の政府関係者は本紙の取材に、二一年度からの助成費の増額や所得制限の緩和を検討していると明らかにした。
 児童手当に関しては、ゼロ歳児から中学生までの支給対象を高校生まで引き上げることや多子世帯への増額を視野に関係省庁が調整する。男性の育児休業取得率は、現在の6%から二五年までに30%へ引き上げる数値目標を掲げ、実現に向けて育児休業給付金の引き上げを検討する。
 新型コロナウイルス感染拡大にも触れ「結婚や妊娠・出産、子育てに多大な影響を与え、安心して子どもを産み育てられる環境整備の重要性を改めて浮き彫りにした」と指摘。働く妊婦への配慮や、テレワーク等の柔軟な働き方の推進、子どもの見守り体制強化に取り組む必要性を訴えた。
 大綱は五年ごとに策定し今回が四回目。希望する数の子どもを持てる目標として「希望出生率一・八」の実現を新たに掲げた。一人の女性が生涯に産む子どもの数を示す合計特殊出生率は一八年で一・四二にとどまり、昨年の推計出生数は過去最少の八十六万四千人に落ち込んでいる。 (川田篤志)

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