発達障害学生 災害時支援に課題 群大と宇大、避難マニュアルなし

2020年5月31日 07時55分

群馬大の荒牧キャンパス=前橋市で

 総務省関東管区行政評価局(さいたま市)が関東甲信越にある国立大のうち八つの国立大学法人を対象に実施した「障害のある学生等に対する大学の支援に関する調査 発達障害を中心として」と題する調査で、新潟大を除く群馬大と宇都宮大など7大学は、災害時の発達障害の学生支援や避難方法に関する危機管理マニュアルを整備していないことが分かった。(市川勘太郎)
 調査は二〇一九年七月〜二〇年三月に、三大学と茨城、埼玉、千葉、一橋、横浜国立の各大学を対象に実施。結果で、群大と宇大は防災関係の規定や災害対策マニュアルはあるが、発達障害の学生支援に関する内容がなく、発達障害に特化した規定もないと指摘された。
 新潟大は発達障害を含む「障がい学生の災害時の支援・避難方法」を作成し、ホームページに掲載。近畿管区局の調査結果では、大阪大や和歌山大が発達障害を含む学生の支援に関する教職員向けのガイドラインを作成している。
 さらに、関東管区局の調査結果では、各大学は一般学生らを対象にした防災訓練や避難訓練は年一回ほど実施しているが、発達障害の学生への支援は全八大学が行っていなかった。
 その理由を、群大は「発達障害の学生に特化した避難訓練を考えるより、発達障害の学生に訓練への参加を促し体感させることが重要」と説明。宇大は「プライバシーの関係から、あらかじめ発達障害の学生の存在を支援し得る教員や他の学生など訓練参加者に知らせられない」と答えた。
 両大の回答に対し、調査結果は発達障害の特性上、大規模な災害の時に安全な場所への避難が遅くなったり、安否の確認が遅くなったりするなど、避難から取り残される恐れがあると指摘した。
 調査結果は各大学の改善点として、マニュアルの整備や障害のある学生の特性に合わせた支援計画の作成、関係部署で支援に必要な発達障害を含む障害者の情報を共有することなどを挙げた。

宇都宮大の峰キャンパス=宇都宮市で

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