<代替わり考 皇位の安定継承>(6) 悠仁親王の代までは現状で

2020年6月1日 08時00分

◆徳島文理大教授(総合政策学部)・八幡和郎氏

 長年の伝統である「男系男子」による皇位継承を、できる限り守らないと、皇室の権威が揺らいでしまう。悠仁(ひさひと)親王の代までは変更すべきでない。上皇さまは八十五歳で退位したが、悠仁親王がその年齢を迎えるのは二〇九一年。われわれが議論するのは、そのときに男性継承者が不在なら、どうするかという問題だ。
 ひとつ提案したいのは、戦後の一九四七年に皇籍離脱した十一の旧宮家のうち、いまも男系男子の当主で存続する東久邇家(ひがしくにけ)などから、悠仁親王と同世代の若い男性を皇族として皇室に迎え入れておくことだ。
 二つ目に、女性皇族が一般男性に嫁いで男子が誕生したら、天皇の外孫にあたるその男子を皇位継承の有資格者として皇室に迎え入れてはどうか。もっとも、その場合は「女系」男子の皇位継承資格を容認することにはなる。
 この際、女性皇族の結婚相手が、旧宮家や戦前に臣籍降下した旧皇族の男系子孫であれば、生まれてくる子も父方の血筋が天皇につながる男系子孫となる。こうした形で男系が継承される可能性もあるため、女性皇族と旧皇族の子孫が集まる出会いの場を設けることも一案だろう。
 いずれも皇室に入る対象者たちは、当人の資質や意向の見極めが可能な二十歳前後になってから、どうするかを決めればいい。形式的には現存する宮家か、近年廃絶した宮家に猶子(ゆうし)として入ってもらうことが伝統を重んじた方法だと思う。
 焦点の女性天皇や女性宮家創設の是非は、前述したように別の方策があるため、現時点ではどちらも認める必要はないと考える。
 それに認めるとなれば、一般人の夫が皇族の身分になるわけで、それまでの夫の交友関係や振る舞いなどが皇室の権威や信頼を損なうことがないか心配される。欧州の王室の例だと、女王の夫の言動が物議を醸し、バッシングの対象となることもしばしばあった。
 皇室の公務の担い手不足には、結婚で皇室を離れた元女性皇族や旧宮家の人々を宮内庁嘱託という形にして、公務の一部を担ってもらうことを提案したい。 (聞き手・阿部博行)

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