北星鉛筆株式会社

2020年1月25日 09時00分

女優・宮﨑香蓮が老舗の企業をご紹介します!

女優・宮﨑香蓮が、インタビューから原稿の執筆まで全てを手掛ける連載企画「大人の社会科見学」。今回は、東京の下町で鉛筆を作り続けている北星鉛筆株式会社に伺いました。世界的にも高い評価を受けている、日本の鉛筆が生まれる工程や、アイデアあふれる商品をレポートします。

鉛筆屋さんのご先祖は「書き仕事」にルーツあり!

 皆さんが鉛筆をよく使っていたのは、小学生のころでしょうか? 私も子供の時から文房具が大好きだったので、お店で鉛筆を選ぶことに命かけていました!
 今回は、北星鉛筆株式会社さんにお邪魔し、まず鉛筆工場を見学させていただきました。工場での鉛筆作りは、スラットと呼ばれる木の板に溝を掘るところから始まります。この溝に芯を入れて、接着剤で二枚のスラットと芯を結合した後、1本ずつ鉛筆を削り出していきます。スラットの溝は、芯の状態により0.01ミリの単位で調整しているそうです。ここまで細かく調整をするのも、芯とスラットの間に隙間ができないようにするため。そうすると折れにくい鉛筆に仕上がるそうです。

スラットと呼ばれる鉛筆の軸になる板に芯が入る溝を掘る。この溝の精度が高いと折れにくい鉛筆になる。

スラットは芯を挟んだ後に接着剤で貼り合わせ、乾燥させる。その後、六角形や円形に削り出していく。


 懐かしい木の香りが会社の中にも漂う北星鉛筆さん。そのルーツは江戸時代に遡ります。創業者のご先祖は、祐筆(ゆうひつ)と呼ばれる書記として徳川幕府に仕えていたそうが、明治時代になると、屯田兵として北海道に移り住みました。近代化が進むこれからの時代、筆記用具が大量に必要になると考え、木材が豊富な北海道で鉛筆材専門の材木商としてビジネスを始めます。その後、鉛筆の製造にも参入し、昭和26年(1951年)に流通の良い東京に進出します。これが「北星鉛筆」という会社の始まりです。創業からもうすぐ70年になりますが、今は手を使ってものを書く機会は段々と減っていっていますよね。私も子供のころは鉛筆をたくさん使っていたはずなのに...。そんな時代の中でも北星鉛筆さんは、挑戦を続けています。

逆三角形の棚に加工した鉛筆を置いていく。積み重なった鉛筆の高さで鉛筆の本数が分かる仕組み。

ピンクの芯なのに軸の色は白。この白は下地として塗ったもの。下地なしだときれいに発色しないのだとか。


鉛筆だけじゃない!子供から大人まで愛され続けるために

 子供の数が減ってきている今の時代。北星鉛筆さんが心掛けているのは「鉛筆の価値を下げない」ことだとか。鉛筆の良さを伝えたい、ずっと鉛筆を使ってほしいという思いから、工場の見学を積極的に受け付けています。
 また会社の敷地内に「鉛筆神社」もあります。毎年、勤労感謝の日に、この神社で鉛筆の供養をするそうで、この日に短くなった鉛筆5本を持っていくと新しいものを1本もらえるんだとか。子どもたちにとって「ものの大切さ」を感じることができる体験になりますよね。
 そして北星鉛筆さんでは大人へ向けた商品も開発しています。見た目や書き心地は鉛筆そのままに、ノック式のシャープペンシルと同じ仕組みで2ミリの芯を使えるようにして、鉛筆の削る手間をはぶいた「大人の鉛筆」。鉛筆の持ち方を子供に教える大人が、正しい持ち方を学ぶことができる補助具「大人のもちかた先生」など、鉛筆を幅広い世代に使ってもらうための商品を開発し続けています。

二段階で削ることで芯が折れにくい鉛筆に。鉛筆を作る企業ならではの「日本式鉛筆削り634」(1320円)

子供に鉛筆の正しい持ち方を教えるにはまず大人からと考案された「大人のもちかた先生」(748円)。


 また企業として環境にも配慮しています。製造過程で鉛筆用の木材の40パーセントは、おがくずになってしまいますが、これを集め粘土や絵具、着火剤などにリサイクルしています。リサイクル工程を全て工場内で完結できるので、運搬にエネルギーを消費しない、東京に工場のある北星鉛筆さんならではのエコな取り組みです。

鉛筆を製造するときに出るおがくずを集め、粘土や絵具などに加工している。


 状況が変わり続ける中でも色々なチャレンジをしているのは、東京の地場産業として栄えた鉛筆作りを後世に残していかなくてはいけないという北星鉛筆さんならではの思いがあります。五代目の代表取締役・杉谷龍一さんの「鉛筆がある限り鉛筆屋を続けなくてはいけないというバトンをもらっているんです」という言葉がとても印象に残りました。

10Bのスムーズな書き心地には香蓮ちゃんもびっくりしていました。「beginning pencil あ」(2本264円)。


取材後記
久しぶりに鉛筆を削るだけで感動しました宮﨑です。柔らかな書き心地も良いですねぇ。取材中に北星鉛筆さんの商品を見せていただきましたが、その中に小学生の頃使っていた鉛筆を発見して、懐かしさで胸いっぱいになりました。北星鉛筆さんではOEM商品も製造しているので、皆さんもこの工場で作られた鉛筆を使ったことがあるかもしれませんね。逆風が吹いている状況だからこそ、価値のあるものを作ることは大切だと感じた取材でした。北星鉛筆株式会社・代表取締役社長の杉谷龍一さん、そして社員のみなさん、お忙しい中ありがとうございました!
DATA 北星鉛筆株式会社
昭和26年(1951年)に設立した北星鉛筆株式会社。オリジナルブランドのものとOEMのものを合わせて1日10万本の鉛筆を生産している。社内に「東京ペンシルラボ」を設け、工場の見学や、木のねんど「もくねんさん」を使ったワークショップなどを開催している(工場見学は要予約。料金:大人400円、子ども300円)。
北星鉛筆株式会社
東京都葛飾区四つ木 1-23-11
TEL. 03-3693-0777
北星鉛筆株式会社ホームページ

PROFILE
宮崎香蓮(みやざき かれん)
1993年11月20日生まれ。2006年「第11回全日本国民的美少女コンテスト」演技部門賞を受賞し、女優として活動中。NHK 大河ドラマ『花燃ゆ』ではヒロインの幼馴染・入江すみ役として出演する など、いま活躍を期待される若手女優の代表格。
■NHK Eテレ「おもてなしの即レス英会話」ドラマパートレギュラー(早苗役)
■テレビ朝日「遺留捜査」滝沢綾子役レギュラー
■島ぜーんぶ映画祭第11回沖縄国際映画祭地域発信型 出品作品「BENTHOS」主演
■舞台「里見八犬伝」出演(浜路役)
■東京2020オリンピック聖火リレー長崎県内走行聖火ランナーに決定!

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