「中国では6億人の月収が千元(1万5000円)」中国首相発言にネット沸く

2020年6月2日 07時10分
【北京=中沢穣】中国の李克強(りこくきょう)首相=写真、新華社・共同=が五月二十八日の記者会見で「中国では六億人の月収が千元(約一万五千円)前後だ」と発言し、中国メディアなどで話題となっている。ネット上では「豊かになった中国で、貧困層がこれほど多いのか」との驚きとともに、「真実を隠さずに公表した」と好意的な意見が多い。
 李氏は全国人民代表大会(全人代)閉幕後の会見で「中国は多くの人口を抱える発展途上国で、六億人の中低所得かそれ以下の人々がおり、彼らの平均月収は千元前後だ」と述べた。共産党機関紙、人民日報の記者に新型コロナウイルスの影響が貧困層に与える影響を問われて回答した。今年は貧困層に再び転落する人々が出るとの見通しも同時に示した。
 中国は昨年、一人当たり国内総生産(GDP)が中所得国の水準とされる一万ドル(約百八万円)を初めて超えた。北京や上海など大都市では先進国並みの生活も可能だが、農村部を中心に貧困人口が少なくない。李氏が言及した「六億人」は子どもや高齢者など非労働人口も含むとみられる。
 一方、六月一日出版の党理論誌「求是」は、昨年四月に習近平(しゅうきんぺい)国家主席が行った演説を掲載。この中で習氏は「わが国の発展が不均衡で収入の差があるのは正常なことだ。(習政権が目標にする)小康社会の全面的実現は平均主義ではない」と訴えた。格差の存在を問題視する李氏の発言を打ち消す内容ともいえ、これもネット上で話題になった。香港メディアは両氏の不仲説も伝えた。

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