給付金法人問題 経産省は情報出し渋り、事務所は応答なし

2020年6月2日 07時11分

持続化給付金の業務を受託する「一般社団法人サービスデザイン推進協議会」を訪れた野党議員=1日午前、東京都中央区で

 七百六十九億円の巨大事業を受託しながらも、一般社団法人サービスデザイン推進協議会の実態は明らかになっていない。事業の責任者である経済産業省も情報を出し渋り、持続化給付金の事業で明るみとなった取引の不透明さを助長させている。 
 野党議員は一日午前、登記に記載のある事務所(東京都中央区)を訪問。だが、呼びかけに応答はなく、室内の電気はついておらず人けもなかった。
 「(経産省)中小企業庁の委託事業であり、同庁まで問い合わせを」。ドアには一日付の報道関係者向けの紙が貼られていた。本紙が五月中旬に訪問した際、ドア横に設置されていたインターホンは取り外されていた。
 その経産省も説明責任を果たすどころか、法人を守るばかりだ。同日午後の野党合同ヒアリングで、無所属の山井和則衆院議員は「七百六十九億円の税金が適切に運用されているかを確かめたい」と、法人の担当者との面会や電話での聞き取りを要求。同省は「私人に対応させるのは適切ではなく、政府が答える」と拒否した。
 国民民主党の渡辺周衆院議員は「(聞き取りの対応者は)匿名でも構わない」と譲歩したが、同省はこれも拒んだ。公開情報である法人の理事のリストを出すように求められても「法人と相談する」と応じ、説明せずにやり過ごした。 (皆川剛)
<持続化給付金事業の再委託> 経済産業省中小企業庁は、新型コロナウイルスの影響を受けた中小企業などに最大200万円を給付する持続化給付金で、一般社団法人サービスデザイン推進協議会に769億円で事業を委託。委託費の97%に当たる749億円が、法人からの再委託で電通に流れることが判明している。法人は電通やパソナなどが2016年に設立。4年間で14事業(計1576億円)を同省から受託し、うち9件で設立に関与した企業を中心に再委託。残り5事業でも、事業の大半を外注した例があった。「再委託」と「外注」は契約の種類で呼び方は違うが、外部に仕事を任せるという点では同じだ。

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