天然痘予防接種 種痘広める 足立ゆかり幕末の医師・佐藤元萇 市民グループが自筆日記発刊

2020年6月3日 07時06分

発刊された佐藤元萇日記=足立区で

 足立区千住地区ゆかりの幕末の医師で、森鴎外に漢詩を教えていた佐藤元萇(げんちょう)(一八一八〜九七年)の幕末から明治初期の自筆の日記が出版された。地元足立区の市民グループ「安藤昌益と千住宿の関係を調べる会」が、十年前から解読を進めてきた。
 グループは、江戸中期の医師で思想家・安藤昌益(一七〇三〜六二年)の「自然真営道」の草稿が千住で発見されたのを機に、昌益と千住との関わりを調べるために二〇〇四年に結成。調査の過程で、事務局長の矢内信悟さん(70)が佐藤の日記を発見し、メンバーらが解読、翻刻に取り組んできた。
 日記は漢文でつづられ全八冊。一八五一(嘉永四)年二月から七一(明治四)年十一月のほぼ二十年間分。五一年二月、元萇が、千住で天然痘の予防接種である、牛痘による種痘を施したことを示す記述がある。江戸で種痘が普及したのは五八(安政五)年に「お玉ケ池種痘所」(東大医学部の前身)ができてからとされ、元萇は七年も早く種痘を広めていたことが分かる。
 矢内さんは「日本医学史の種痘の稿を書き直す材料を提供している。幕末から明治の体制が変わる過程を知る貴重な資料」と話す。
 A5判、補注付き。四千五百円(税別)。
 問い合わせは、同会(矢内さん)=電03(3887)8021=へ。 (砂上麻子)

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