<新型コロナ>「名人」の野菜苗、行き場失う 近隣小学校向け 休校続き 川崎市多摩区の農業・高橋孝次さん

2020年6月3日 07時08分

小学校の授業向けに野菜苗を栽培している高橋孝次さん。今年はコロナ禍で苗の行き場を失った=多摩区で

 新型コロナウイルスの影響で、「名人」が育てた夏野菜の苗が行き場を失っている。例年は大型連休明けをめどに、トマトやナス、ピーマンなどの苗をトラックに積んで近くの小学校へ。子どもたちと触れ合い、農と食を学ぶ出前授業も開いてきたが、今年は臨時休校が続いたためだ。(石川修巳)
 苗を育てたのは、川崎市多摩区の農業高橋孝次さん(88)。さまざまな野菜苗を温室で育てるほか、伝統野菜「のらぼう菜」の栽培で、二〇一五年度に県内二人目の地域特産物マイスターに認定された。
 ライフワークが、近隣の小学校で二十年余続けている出前授業。子どもたちが野菜を育てる学習の一環で、例年四月に学校から人数分の苗の注文を受け、多摩区や高津区、宮前区などの約二十校に出向いてきた。
 一月下旬から種をまき、温室で育てた自慢の苗だ。学校からは「高橋さんの苗は、どの子もちゃんと育てられる」と好評という。高橋さんは「水をやり、肥料をやる。苗と話ができるくらいに手をかければ、まっすぐ育つ」と語る。
 「出前授業のために私も勉強して、砂漠化の進行とか、世界の食料問題も話すんだ。終わるとね、子どもたちに握手を求められちゃって」とも。
 しかし、今年はコロナ禍で臨時休校が長期化。苗はその間も大きくなり、行き場を失った。「いっぱい残っちゃった。学校が休みになって、高橋さんも一緒に休んでください、って」
 今月から市立学校が徐々に再開され、「今年も苗を育てたい」と連絡してくれた学校もあるという。希望者には、高橋さんの自宅(多摩区菅野戸呂(すげのとろ)一四の三三)で販売する。ほとんどが一本百四十円。問い合わせは、高橋さん=電044(944)6194=へ。

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