<新型コロナ>「まつタク出前便」スタート 飲食店とタクシー業界応援 松戸市、自治体主導は県内初

2020年6月3日 07時10分

専用ホームページには、プロモーション映像も(将宗映像提供)

 新型コロナウイルスの感染拡大で売り上げが落ちたタクシー業界や、緊急事態宣言が解除されても客足が戻らない飲食店を支援するため、松戸市はタクシーによるデリバリー「まつタク出前便」を始めた。ウイルス感染の予防で外食を控えたり、在宅勤務を続ける市民に配送無料で行きつけの店の味を届ける。自治体主導で事業に取り組むのは県内初。全国的にも珍しい試みという。(林容史)
 「まつタク出前便」利用の流れは、こうだ。まず専用のホームページ(https://www.matsudo−kankou.jp/matsutax/)で参加している飲食店を確認。食べたいメニューが決まったら電話で店に注文する。注文を受けた店側がタクシー会社に配達を依頼し、出来たての料理を店員がタクシーに積んだ保冷バッグに入れ、お客に届ける。代金は運転手に支払う。
 利用は代金総額が千円以上で、配達するのは店からおおむね三キロ以内の距離。配達を希望する時間の二時間前までに注文する。感染防止のため、運転手は商品には手を触れない。
 一回の配達につき千円を市がタクシー会社に配達料として支払う。事業は今月三十日までを予定し、事業費計約千七百万円を計上している。
 現在、市内の飲食店三十七店が参加、特例で国土交通省に貨物配送が認められたタクシー会社九社の百二十九台が配達を担う。参加を希望する飲食店からの申請は、事業を受託している市観光協会が受け付けている。
 同市本町にイタリアンダイニング「パストール」を構えて十三年目の土屋正明さん(46)は「二十五年以上、飲食業をやってきて、こんなことは初めて」と新型コロナウイルスの影響を語る。店内で料理を提供することにこだわってきたが「死ぬ気でやらないと生き残れない」と、四月末から弁当の販売に踏み切った。デリバリーも考えたが「ノウハウも人手もない。民間の配達は手数料が高い」と壁に阻まれてきた。市の支援に「渡りに船。継続してやってもらえれば」と期待を寄せる。
 配達を引き受ける京成タクシー松戸西の斎藤拓社長は、緊急事態宣言中について「売り上げは五、六割ほど。とにかく夜、人が出ていなかった」と振り返る。「飲食店が元気になればタクシーのお客も戻ってくる。制度緩和でビジネスチャンスが増えれば」と話していた。
 早速、新規事業を利用して昼食を注文した奥野重雄さん(71)は「行きつけの店に行けないからデリバリーは便利。こんな時期、みんなで助け合わないと」と笑顔だった。
 問い合わせは市観光協会=電047(703)1100=へ。

タクシーの荷室に料理を積み込む飲食店関係者=松戸市で

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