性的指向暴露、三重県が禁止条例 都道府県で初 年内の制定目指す

2020年6月3日 13時52分
 三重県は、性的少数者(LGBT)の差別を禁止する条例を制定する。性的指向や性自認を当事者の了解なく明かす「アウティング(暴露)」の禁止条項を都道府県で初めて盛り込む。韓国で五月、LGBTが多く集まるクラブで新型コロナウイルス感染症のクラスター(感染者集団)が発生した際、接触者調査が難航したことを受け、国内での「第二波」に備えて調査の支障になる差別意識を取り除きたい考え。年内の制定を目指す。
 三日の県議会本会議で、鈴木英敬知事が条例制定への意向を表明した。
 韓国・ソウルのクラブでは百人を超えるクラスターが発生し、接触者調査が難航した。LGBTに不寛容な社会を背景に、身元の流出による差別を恐れている人が多いのが要因とみられている。
 こうした事態を避けるため、三重県は条例でアウティング禁止を明文化することで、当事者が保健所の接触者調査などに協力しやすい環境を整える狙い。カミングアウト(告白)の強要禁止も盛り込む。今後、罰則の検討や、有識者による議論を経て条例作りを進める。
 日本では二〇一五年、東京都国立市の一橋大で、男子大学院生が同性愛者であることを同級生に暴露された後、自殺。同市は一八年、アウティング禁止の条例を全国で初めて施行した。
 当事者団体の全国組織「LGBT法連合会」(東京)の神谷悠一事務局長は「アウティングは命に関わるハラスメント。行政による規制を広げるべきだ」と話している。

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