藤井七段、阻まれ続けた壁ついに破った 満を持していざひのき舞台

2020年6月5日 07時41分

第91期棋聖戦挑戦者決定戦で永瀬拓矢二冠に勝利し、記者会見に臨む藤井聡太七段

 「記録は意識せず指したい」-。これまで最年少記録について尋ねられるたび、藤井七段はそう答えてきた。それでもファンの期待は膨らみ続けた。コロナ禍による対局休止が明けたばかりの指に、のしかかった重圧の大きさは計り知れない。それをつゆほども感じさせず、会心の将棋で期待に応えてみせた。
 現在将棋界に八つあるタイトル戦は、全棋士の中から勝ち上がった挑戦者が、前年王者との番勝負で覇を競う、棋士にとって最重要の棋戦だ。大半の棋士は挑戦者にもなれずに引退していく。記録に無頓着な藤井七段も「タイトル獲得という大きな目標に向け、しっかり実力をつけたい」と常々語ってきた。
 一昨年、王座戦ではベスト4で敗退。昨年は王将戦で挑戦まであと1勝に迫ったが、土壇場のミスで逃した。歴代最多の29連勝で日本中をわかせた「藤井ブーム」から3年。少年は青年となり、トップに肩を並べる棋力まで着実に成長した。そして何度も阻まれた壁をついに乗り越えた。
 今期の王位戦(東京新聞主催)では、木村一基王位(46)への挑戦権獲得まであと2勝に迫っており、二つのタイトル戦を並行して戦う可能性もある。「大変な状況だが、将棋を指すことが自分の務め」。淡々と語る高校生が8日、満を持してひのき舞台に上がる。 (岡村淳司)

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