<新型コロナ>「鍋−1グランプリ」優勝の実力派 あん肝ラーメンで 苦境乗り越える

2020年6月5日 07時48分

あん肝ラーメンを食べに訪れた客=北茨城市で

 新型コロナウイルスの影響で休業を続ける北茨城市の旅館「あんこうの宿 まるみつ旅館」が、館内に「あん肝ラーメン」専門店をオープンした。八月末までの期間限定だが、状況に応じて延長も検討する。武子能久社長(44)は「新たな収入の柱に育てたい。全国のラーメン好きが集まるようになれば」と意気込む。
 オープン初日の五月三十一日には、約二十組六十人の地元客らが訪れた。広い宴会場を活用し、客同士の席を離すなどの感染防止対策に取り組んでいる。
 夫や親族と訪れた大洗町の主婦田山逸子さん(61)は「アンコウのラーメンは初めて食べた。アンコウにはコクがあり、ごはんにかけると雑炊感覚で楽しめる」と喜んだ。
 創業は一九六六年。二〇一五年にアンコウ料理を開発・提供する施設「あんこう研究所」を開設したほか、一七年にご当地鍋料理の祭典「鍋−1グランプリ」にアンコウ鍋を出品してグランプリを勝ち取った実績がある。
 ラーメン店で提供する「あん肝ラーメン」の価格は税別八百五十円。スープは鍋−1グランプリで優勝したアンコウ鍋と同様に、みそとあん肝をベースにした濃厚な味わいに仕上げている。県産の小麦を使った麺の上には、あん肝のペーストを載せた。
 武子社長によると、宿泊客の九割が首都圏を中心とする県外客。県内でも感染者が急増した三月下旬以降、宿泊の予約が入ってもキャンセルされる状況が続き、四月十二日には臨時休業に追い込まれた。現在、今月下旬の再開を目指して準備中だ。
 二〇一一年の東日本大震災で受けた被害を乗り越えた直後のコロナ禍だった。北茨城市は震度6弱の揺れに襲われ、旅館の建物も被害を受けた。東京電力福島第一原発事故の風評被害の影響も大きく、客数が一時ゼロまで落ち込んだ。事故から九年余り、ようやく震災前の客数に戻ってきたところだった。
 コロナ禍は、東日本大震災以上の打撃になりつつある。武子社長は「今までのやり方では乗り越えられないと思ってラーメン屋を始めた。先行きが見えないが、このラーメンで難関を突破したい」と話している。
 営業時間は午前十一時〜午後二時。月曜定休。あん肝ラーメン(二玉入り、税別千六百円)の通信販売もしている。問い合わせは旅館=電0293(46)0569=へ。(水谷エリナ)

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