<来夏の青写真>メダル期待の卓球 取り戻したい「練習」と「実戦」

2020年6月6日 06時50分
伊藤美誠ガッツポーズ

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 味の素ナショナルトレーニングセンター(NTC=東京都北区)での本格的な強化再開は道半ば。東京五輪の有力なメダル候補の卓球を取り巻く現状も、コロナ禍で様変わりした。日本卓球協会の宮崎義仁強化本部長は、緊急事態宣言の発令中だった5月、練習環境の復活と実戦機会の創出が急務との認識を示した。
 「(五輪の)1年延期というのは、どちらかというとポジティブに捉えている。選手が成長できるということ。ただし、新型コロナウイルスの影響で、練習が皆で集まってできていない。そこは日本にとって不利な部分もある」
 2012年ロンドン五輪で女子団体が初めて銀メダルを獲得。16年リオデジャネイロ五輪では日本勢がシングルス・団体で計3個のメダルを手にした。近年の目覚ましい活躍を支えてきたのは、充実した設備やスタッフがそろうNTCの活用を核とした体制が大きかった。
 ただ、ナショナルチームの合宿はいったん4月上旬に解散。選手は地元や所属先に戻り、個々での活動を続けることになった。利き手、戦型など多様なプレースタイルへの対応などがより集中的に磨ける利点は、同じ空間にいてこそ。「複数の人数が集まって行う強みを出せないのは大きな課題」と指摘した。
 国際大会の再開はまだ見通せない。実戦感覚は練習だけでは埋めがたい。「真剣勝負の場を設けられれば一気に強化にもつながる。自分たちで試合を設定できるか、なども考えないといけない」と国内の状況に敏感になりながら、思考を巡らせる。
 五輪の代表選考が進んでいない競技がある中、日本協会は1月に全内定選手を発表し、五輪延期となっても代表権を維持することを確認した。持ち前の前向きな姿勢を見せるのは伊藤美誠(スターツ)。「来年に向けて頑張れている。自分を成長させてくれる目標でもある」と意気込む。
 世界ランキング2位の19歳が見据えるのは金メダル。自粛期間の中でスマートフォンに触れる時間は増えがちになったが、眼球を回す運動で疲労を予防するなど、私生活でも気を使ってきた。
 気持ちを整理し、再出発しようとする選手らの前に立ちはだかるコロナ禍。緊急事態宣言の解除でNTCは利用可能になったとはいえ、チームとしての活動はこれから。「戦う以前に疲弊してしまうという懸念は、(影響が)長引けば長引くほど感じている」と宮崎強化本部長は言う。「日常」を取り戻すことで、来夏への道筋もはっきりする。 (磯部旭弘)

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