<新型コロナ>クラスターで16人死亡の「藤和の苑」 初動の遅れ解明 焦点に

2020年6月6日 07時42分

多くの感染確認者や死者を出した有料老人ホーム「藤和の苑」=伊勢崎市で

 県は新型コロナウイルス感染症のクラスター(感染者集団)が発生し、十六人の死者を出した伊勢崎市の有料老人ホーム「藤和の苑(その)」について、第三者も参加して検証報告書をまとめ、今月末をめどに公表する。施設を運営するケアサプライシステムズ(高崎市)は既に経緯報告を公表しているが、山本一太知事は四日の定例記者会見で「県が把握している内容と異なる」と述べ、初動の遅れの解明などが焦点になりそうだ。(池田知之)
 同社は五月三十日、経過報告などを独自にまとめてホームページに公表。報告によると、施設は発熱者が五人出ていた時点で、四月六日に伊勢崎保健所に報告した。施設は同七日に保健所に現状報告して検査を依頼したが、保健所は帰国者・接触者外来への連絡を指示。施設が同外来に連絡すると、保健所に従うように指示されたが、検査は受けられなかったとしている。
 入院した入居者二人の検査が同九日に陽性と判明し、施設に県から医師らが派遣され、入居者や職員の検査をしたのは同十日だったという。
 こうした同社の経過報告などについて、山本知事は県の把握とは異なるという認識を示したとみられる。施設側が県に最初の報告をしてから、検査するまでに初動の遅れがあったことには、山本知事は「結果としてクラスター発生に結び付いた。改善するべきだ」と指摘した。
 施設では、その後も入居者や職員らの感染確認者が続出し、計六十八人となった。県の検証報告では、救急搬送、病院の受け入れの課題、市町村との役割分担などもテーマとし、医療関係者ら第三者を交えた協議会で協議し、報告書を取りまとめる予定。
 また、県は初動体制の新たな指針を公表し、高齢者施設などで原因のはっきりしない発熱が三人以上発生した場合は、早急に検査するように改めた。

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