<法律お助け隊 今野久子弁護士>出産間近、通勤避けたい

2020年6月6日 07時47分
<お悩み> 10月に第1子の出産を控える東京都内の書店員です。新型コロナウイルスの感染拡大により、4月に緊急事態宣言が出てからは、テレワークと有給休暇の消化で出勤せずに済みました。しかし、宣言の解除後は出勤を命じられています。ただ人出も戻り始めており、万が一感染して出産に影響が出ないか心配です。通勤は避けられませんか。
 (埼玉県・女性30歳)

◆医師の判断で免除可能

<お答え> 新型コロナに限らず、一般に妊婦が肺炎になった場合、重症化する可能性が指摘されています。法律ではこうしたリスクから母体と胎児を守るためのルールがあります。
 妊娠中の女性から請求があれば、雇用主は軽易な業務に転換させないといけません(労働基準法六五条三項)。また、妊婦が保健指導や健康診断で医師や助産師から指導を受けた事項について守れるよう、雇用主は必要な措置を取ることも義務付けられています(男女雇用機会均等法一三条およびそれに基づく指針)。
 この指針について五月七日に新たな措置が追加されました。それは、妊娠中の女性が業務などで新型コロナに感染しないか心理的なストレスを感じ、母体や胎児に影響があると医師や助産師から指導を受けた場合です。女性の申し出により雇用主は業務の見直しや、在宅勤務や休業などによる通勤の緩和を講じないといけなくなりました。
 来年一月三十一日までの時限措置ですが、正規非正規を問わず、妊娠中の働く女性に適用されます。
 あなたの場合、不特定多数が相手の接客や、混雑しやすい電車での通勤に不安を感じているというので、まずは医師に事情を説明しましょう。感染リスクへの不安を取り除くため、出勤は避けるべきだと医師が判断すれば、「母性健康管理指導事項連絡カード」(母健連絡カード)にその旨を書いてくれます。
 それを持って店側に請求すれば通勤は免除か緩和されるはずです。店側が不服に感じて、解雇や不利益扱いをすることも法的に禁止されています(均等法九条三項など)。都道府県労働局も相談に応じています。

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