羽田新ルート停止求め提訴へ 直下の住民ら「騒音、落下物が危険」

2020年6月7日 07時40分
 羽田空港(東京都大田区)の発着枠拡大を目的に、都心や川崎市のコンビナート上空などを通過する新飛行ルートの運用を巡り、新ルート直下の住民らが十二日、国などを相手取り、新ルートの運用停止を求める行政訴訟を東京地裁に起こす。住民らが六日、明らかにした。三月二十九日に運用が始まった新ルートを巡る訴訟は初めて。
 原告は練馬区、渋谷区、川崎市など新ルート下の八区市の住民約二十五人。訴訟では、国が昨年八月に示した新ルートが騒音や落下物など生活への障害や危険性があると主張する。
 また、国が一九七〇年に出した「羽田空港に離着陸する航空機は原則として川崎市の石油コンビナート上空を避ける」との通知を、昨年十二月に廃止したことは安全性を軽視している−と指摘。こうした理由から、新ルートを定めた国の指示書の取り消しを求める。
 新ルートは東京五輪・パラリンピックに合わせ、羽田空港の国際線の発着枠を一日当たり五十便増やそうと、三月二十九日に運用開始。現在、新型コロナウイルスの影響で国際線は大幅な減便が続いている。
 原告側は「新ルートを使わなくても、管制方法を改善すれば同じ程度の増便は可能。その上、便数の回復が見通せない現状で、新ルートにこだわる必要があるのか」と批判した。
 また、都心上空を通過する新ルート下に住む原告は「実際に飛行機が通過すると、ごう音がひっきりなしに聞こえ、飛行機の車輪まで間近に見えて恐怖を感じる。国の騒音・落下物対策は、不安解消には程遠い」と話している。 (市川千晴、梅野光春)

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