整備進むオンライン授業 小田原市で全児童・生徒に端末確保へ

2020年6月8日 06時49分

小田原市の学習用動画の一場面。楽しい内容だが、質疑応答はできない

 長期休校時に全市立小中学校でオンライン授業もできるよう、小田原市はタブレット端末や通信機器の購入費五億二千九百万円を盛り込む補正予算案を八日開会の六月議会へ提出する。来年度から一人に一台、学習用端末を持たせる国の「GIGAスクール構想」の補助金を見込む。南足柄市など多くの自治体も同様に整備を進める見通しだ。
 小田原市は、二十五小学校と十一中学校の全児童・生徒、教員計一万四千人分を確保する。補正予算で全体の三分の二の端末を購入し、残る三分の一は来年度以降、リース契約する。国の補助は全児童・生徒数の三分の二を対象に、一台上限四万五千円。
 極力早期に購入し、感染症や災害などで本年度中に再び長期休校に陥っても、パソコンや端末を持たない児童、生徒に貸し出し、オンライン授業を可能にする。端末はカメラやマイクを備え、質疑応答できる。
 ネットを使うICT教育推進を公約した守屋輝彦市長の方針で、国の補助に含まれない各家庭の通信環境も整え、全員が遠隔授業に参加できるようにする。
 現状は一校平均四十台のデスクトップ型パソコンがあるだけで、三月から五月末までの休校中、紙ベースの課題学習が中心だった。市教委や各校はこの間、英語や魚の料理法など八十本以上の動画(五〜十五分)を集めた「おだわらっ子チャンネル」を製作し、ネットで配信。児童・生徒の99%が家庭の端末やスマホで視聴したが、授業の代替には限界もあった。

オンライン授業で、理科の実験をする教員=南足柄市で(北足柄小提供

 南足柄市もすべての市立小中学校で本年度中の整備に向け、モデル校の北足柄小(児童数二十二人)で五月からオンライン学習をスタート。ウェブ会議サービス「Zoom(ズーム)」で、遠隔授業を体験した。登校再開後も下校後に活用している。藤沢恭子校長(60)は「画面に子供たちの元気な顔が映された時は感無量だった。子供たちは画面の友達や先生に分かるように話し方を工夫し、表現力が高まった」と話した。
 新型コロナウイルス拡大に伴う今春の休校中、全校規模でオンライン学習を実施したのは、県内で清川村と松田町、山北町程度で、カメラやマイクを使う遠隔授業をできたのは、一部の小規模校に限られていた。(西岡聖雄)

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