個人の大家は持続化給付金もらえず 法人の大家は給付対象、「不公平」の声

2020年6月8日 07時55分
 新型コロナウイルス感染症の影響で売り上げが急減した中小企業や個人事業主に政府が給付する持続化給付金が、アパートなどを経営する個人家主の家賃収入減には適用されず、法人の不動産業者には給付されるのは不公平だとして、改善を求める声が出ている。確定申告の手続きの問題で、個人家主は給付を受けられない制度のためだが、政府は見直しはしない方針だ。 (大野暢子)
 持続化給付金は、売り上げを「事業収入」として確定申告している個人事業主に対し、売り上げが前年同月より50%以上減った場合、最大百万円を支給する。法人への給付額は最大二百万円。二〇二〇年度第二次補正予算案では支給対象を拡大。売り上げを雑所得や給与所得として申告した人も、事業で得た売り上げであることを書類などで証明できれば支給される。
 個人事業主として家主が得るアパートなどの家賃収入は、税法の規定で「不動産所得」として確定申告する。このため、事業収入を対象とする給付制度の枠外となる。一方、法人の不動産業者は家賃収入を事業収入として申告するので、給付金を受けられる。
 梶山弘志経済産業相は五月二十九日の衆院経産委員会で、個人事業主の不動産所得の扱いについて「個人の保有する資産を運用するという意味では、株式投資と類似する性質があり、給付金の趣旨になじまないものも少なくない」と説明。第二次補正予算案でも、引き続き対象外となるとの見解を示した。
 梶山氏は、家賃支払いに窮した借り主に最大月額百万円を給付する「家賃支援給付金」を近く新設するとし「不動産オーナーへの賃料支払いを間接的に促進していく」と話した。
 不動産業の税務に詳しい和田晃輔税理士は「所得税法上、個人事業主は家賃収入を事業収入として申告する選択肢がない。不公平という声は理解できる。政府は個人と法人の支給要件を合わせるべきだ」と話す。
 制度の是正を求める意見をインターネット上で募ったアパート経営の個人家主(34)は、テナントから家賃を滞納され、収入が激減した。政府が新設する予定の家賃支援給付金についても「借り主が給付金を家賃に使ってくれる保証はない。大家は支払いを強制できず弱い立場だ」と懸念する。
 五月下旬の三日間にインターネットで行った意見募集では、二十四人の個人家主から制度改正を求める声が寄せられ、このうち二十一人が家賃の滞納などにより、月収が前年より50%以上減ったと回答した。

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