コロナより怖いもの

2020年6月8日 08時14分
 東日本大震災の後、人類の将来にどんな災害が降りかかってくるか考えてみる連載企画を掲載したことがある。
 巨大地震や小惑星衝突、新興感染症、気候変動などさまざまな現象のうち、担当記者たちがそろって「一番怖い」と結論付けたのは「破局噴火」である。
 数万年に一度、世界のどこかで起きる。それは米国のイエローストンかもしれないし、日本のどこかかもしれない。破局噴火は地質時代に繰り返し、生物の大量絶滅をもたらしてきた。人類の文明が発祥してからは、本物の破局噴火は起きていない。起きたらそこで文明社会はほぼ終わるだろう。
 将来は、発生予測ができるかもしれないが、事象のスケールが大きすぎ、対処の方法はない。これに比べると、かつて恐竜を絶滅させた小惑星衝突の方がましである。観測によって確実性の高い予測ができ、何らかの手段で小惑星の軌道を変えるなど、対策を打つことができる。
 津波やコロナウイルスは人命に大きな被害をもたらし、私たちは懸命に対処してきた。だが次は別の災害がやってくる。精密な製造技術や通信網に支えられた社会は、想定外の災害にもろい。自粛を強いられた間、リスクに備えてサバイバル術でも習得しておけばよかったと、今ちょっと後悔している。 (吉田薫)

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