養老孟司さん「コロナで常識変わる」 自粛などに警鐘<コロナを生きる>

2020年6月9日 06時50分
 新型コロナウイルスが浮き彫りにした社会の姿について、解剖学者の養老孟司さん(82)が本紙のインタビューにオンラインと電話で答えた。国が不要不急の外出自粛などを求めた感染拡大防止策を通じて「何が『要』で何が『急』なのか、常識が変わっていくのではないか」と将来を見通し、都市と地方の関係や働き方が見直される契機になると述べた。
 養老さんは、二〇〇三年四月に刊行したベストセラー「バカの壁」で、脳内に壁をつくって常識にとらわれ、思考が停止しがちな現代人に警鐘を鳴らした。
 インタビューでは、対策のキーワードになった外出や営業の「自粛」について「本来は自分で考えるはずの『自粛』なのに、誰が決めたわけじゃないけれど強制されて、訳の分からないことになった」と指摘。集団の中で思考力が弱まっている現状に、あらためて危機感を示した。
 東京などで感染者が相次いだことから、大都市への人口集中を「『進歩』とか『経済効果が高い』とか言ってきたが、逆に危ないことがはっきりした」と批判。多くの人が同じように通勤し、机を並べて仕事をするという「当たり前とされることが変わればいい」とし、「もう少し人が分散した方がいいという思いを強くした」と話した。

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