小金井の「はけ」周辺の都道整備 市民の56%が「計画知らない」

2020年6月9日 07時03分

大岡昇平の小説「武蔵野夫人」とゆかりの深いムジナ坂。「はけの道」の途中にあり、都道計画はこの地を東西に横断する=小金井市で

 小金井市南部で都が計画する道路整備を巡り、市は八日、市民アンケートの結果を公表した。それによると、半数以上が計画を「知らない」と答え、費用や生態系への影響を懸念する声も聞かれた。市民団体が都知事に計画の凍結・中止を要望するなど地域の関心は高く、十八日告示の都知事選でも取り上げられそうだ。 (花井勝規)
 計画に挙がっているのは、市南部を東西に走る小金井3・4・1号線(約二キロ)と、南北に走る同3・4・11号線(約八百三十メートル)の二路線。
 二〇一六年、第四次事業化計画の優先整備路線に位置付けられた。ただ一帯には豊かな水が湧く「はけ」と呼ばれる国分寺崖線(がいせん)や、自然環境に恵まれた野川などがあり、地元住民らの間で反対運動が続いている。
 アンケートは市が無作為抽出した市民三千人を対象に行い、九百三人から回答を得た。計画を知っていた人は35%で、56%が「知らない」と答えた。道路整備についての回答(複数回答)の上位には「莫大(ばくだい)な費用と時間がかかる」「昔からの街並み、武蔵野公園や野川周辺の景観が変わる」「国分寺崖線や湧水、野川の多様な生態系に影響を及ぼす」など懸念の声が並んだ。

小金井市の西岡市長が5月下旬、小池都知事に送った都道整備についての要望書

 西岡真一郎市長は、この結果を踏まえて五月二十七日付で、計画に慎重な姿勢を記した要望書を都知事に提出。3・4・11号線について「現時点では事業化に賛同できない」、3・4・1号線は「(計画の)見直しを求める」などとし、都知事に計画地の視察を提案した。西岡市長は八日の市議会でも「計画を知らない人が半数以上いることが分かった。さらなる周知が必要」などと答弁した。
 「都市計画道路を考える小金井市民の会」や「はけの自然と文化をまもる会」などは五月中旬、都内の都市計画道路に反対する市民団体と連名で都知事に「コロナ危機の中、不要不急の都市計画道路事業は直ちに凍結・中止を求める」とする要望書を出している。

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