解雇、雇い止め2週間で9000人増える 新型コロナ影響、非正規が55%

2020年6月10日 07時07分
 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う解雇・雇い止めのペースが一段と加速している。厚生労働省の九日の発表によると、五日時点で見込みを含めて累計二万九百三十三人となり、約二週間でほぼ倍増した。契約満了日が集中する六月末を控え、派遣社員が雇い止め通告を受けるケースが増えているとみられ、非正規社員への影響は深刻だ。
 厚労省が全国の労働局、ハローワークを通じて把握した数字を集計した。ただ、企業からの届け出がないなどの理由で漏れているケースもあるため、実際の解雇・雇い止めはさらに多いとみられる。
 五月二十五〜六月五日に増加したのは九千二十一人で、約55%にあたる四千九百四十三人がアルバイトやパートなどの非正規社員だった。働き手全体に占める非正規の割合は38%前後のため、非正規の人たちが雇用の調整弁として安易に削減されている状況が鮮明だ。
 派遣社員の契約は三カ月単位が一般的で、更新しない場合は一カ月前に通告するルールになっている。本年度が始まった四月に契約し、満了一カ月前の五月末に「契約更新しない」と通告された人が多かったとみられる。労働者派遣業の失職者は、見込みも含めて五百三十九人に上った。
 個人加盟の労働組合「総合サポートユニオン」などが五月三十一日と六月一日に行った相談ホットラインでも、全体の相談件数三百八十三件のうち、非正規からが七割の二百七十五件。中でも派遣社員からの相談は百二十八件と、突出して多かった。「雇い止め後に新しい派遣先が紹介されず生活に困っている」との相談が目立った。

 派遣労働者については厚労省も先月末、派遣会社に対し雇い止めの回避を要請したが、歯止めになるかは不透明。総合サポートユニオンの青木耕太郎氏は「派遣会社も雇用を維持する責任がある。雇用調整助成金を活用して休業補償を出すべきだ」と主張する。
 (池尾伸一)

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