<新型コロナ>海水浴場開けるか否か 悩む県東部・伊豆の自治体
2020年6月10日 07時08分
新型コロナウイルスの感染拡大で、県東部・伊豆の自治体が今夏、海水浴場を開場するかどうかの判断を迫られている。隣接する神奈川県で開場を断念するところが相次いでおり、行楽客が県内の海水浴場に流れ込む懸念があるためだ。ライフセーバー(監視員)の確保が課題になっているところもある。(山中正義、杉原雄介)
◆熱海は検討中
熱海市は、開設するか、まだ検討を続けている。市内には熱海サンビーチなど三カ所の海水浴場があり、例年だと二十万人近くが利用する。今年は神奈川県の海水浴場が相次いで開設を見送っており、市公園緑地課の担当者は「人が集中する可能性もあるので、新型コロナウイルスの感染を含めてどう安全を確保するかが課題」と話す。ライフセーバーは確保できる見込みという。
大瀬(おせ)海水浴場など六カ所の海水浴場を管理する沼津市は「ライフセーバーを確保できるか分からず、夏の営業は未定」としている。市観光戦略課によると、ライフセーバーを務める大学生の夏休みが短くなることが予想され、必要な人員を確保できない可能性があるという。
市は六月中旬にライフセーバー事業の入札を行い、結果を踏まえて営業の可否を判断する方針。六カ所の海水浴場には毎夏十二万人ほどが訪れており、同課の担当者は「中止となったら観光への影響が大きい。営業する方向で模索している」と語る。
地元の観光業者などでつくる組合が管理する、同市内浦三津の三津(みと)海水浴場については「近所の人たちの利用が主であり、規模も小さい」(組合担当者)として通常通り開く予定。
◆伊東、下田は開場
伊東市は、市内にある海水浴場について、例年通り開場すると発表した。ただ新型コロナウイルスの今後の状況により、利用自粛要請や一時閉鎖する場合もある。市は「感染予防対策を講じ、全ての海水浴場利用者にも感染防止に留意するよう、周知、啓発を徹底したい」としている。
白浜大浜など九カ所がある下田市も開設する方針で、六月十一日に正式決定する。しかし、新型コロナの影響で、ライフセーバーを担う大学生の夏休みが例年より後ろ倒しになる恐れがあり、市観光交流課の担当者は「いつも通りの確保は難しい」とこぼす。そのため、開設は例年より遅くなる可能性もあるとみている。
県内ではこのほか、静岡市が三カ所の海水浴場の開場を取りやめる。焼津市、牧之原市、湖西市もそれぞれ、開場しない海水浴場を発表している。
関連キーワード
おすすめ情報