<絶景を行く・特別編>光の道 揺らめいて 夕映えの瀬戸内と棚田(愛媛県伊予市)

2020年6月10日 07時08分
 ご無沙汰しています。まもなく退職から半年。愛媛県松山市に移住して、四国の絶景と野鳥を追いかけています。本紙オフィシャルショップに毎月、作品を二枚発表。著書「野鳥観る撮るハンドブック」が五月に完売、重版になり、心から感謝を申し上げます。
        ◇
 梅雨入りした四国に晴れ間が広がった二日、本谷(ほんだに)の棚田(愛媛県伊予市双海町)を訪れた。傾斜地に曲線を描いて段々に連なる水田。眼下に夕日が沈む瀬戸内海が広がる。光の道が黄金から赤に移ろっていく。田を代掻(しろか)きする農家の人は一幅の絵画のよう。鮮やかな夕映えに染まる空と海、棚田の絶景に魅了された。
 この棚田は探鳥にも最適だった。「ホーホケキョ」とウグイスの歌声が谷間に響き渡った。時々「トッキョキョカキョク」とホトトギスの哀愁を帯びた声も聞こえる。ツバメのシルエットが光り輝く瀬戸内に浮かび上がった。野鳥と向き合う時間が心地いい。日が沈むと鳥の声は消えて、カエルの大合唱が始まった。
 米紙ニューヨーク・タイムズが昨年、「二〇一九年に行くべき五十二カ所の旅行先」として、「瀬戸内の島々」を日本で唯一選定した。記事で、しまなみ海道のサイクリングや広島平和記念資料館、香川県の島々で開幕する芸術祭なども紹介。瀬戸内が世界的に認められて感動した。残念ながら、今年は新型コロナ感染拡大の影響で外国人は少ない。
 マイフィールドは四国に移ったが、自然の息吹は全国どこでも変わらない。光と色が織りなす一瞬のドラマを見つめて、遍路という環境の中で写真を精進したいと思う。
 (堀内洋助)
<ほりうち・ようすけ> 1954年松山市生まれ。元東京新聞カメラマン。本紙で「絶景を行く」を4年3カ月、「探鳥」を23年間連載。著書に「野鳥観る撮るハンドブック」(東京新聞出版部)など。現在は故郷の松山で農業のかたわら、四国の自然を撮影している。

◆撮影データ

 ニコンD850 AF−Sニッコール24〜70ミリf2.8 250分の1秒 絞りF8 ISO400
        ◇
 ご希望の方には、この写真を販売します。フォトサービス03(6910)2557(平日午前10時〜午後5時)

★新作を本紙通販サイトに掲載

 堀内カメラマンの新作を毎月2本、通販サイト「東京新聞オフィシャルショップ」に掲載しています。東京新聞TOKYO Webから入るか、「絶景を行く・堀内洋助」で検索を。学校の教材に役立つサンデー版大図解シリーズ、東京新聞、東京中日スポーツのバックナンバー、東京新聞の本も販売しています。
https://tokyo-np.hanbai.jp

関連キーワード

PR情報

TOKYO発の最新ニュース

記事一覧