「母親たち 心配強かった」元市職員、脅迫容疑で再逮捕 ふれあい館、はがき送付を批判

2020年6月13日 07時01分
 在日外国人と日本人との交流施設「ふれあい館」(川崎市川崎区桜本)に在日コリアンを脅迫するはがきを送りつけたとして脅迫容疑で、元市職員の男が十二日に再逮捕された事件。同館を運営する社会福祉法人「青丘社」事務局長の三浦知人さんは「まだ容疑者段階。『良かった』とは言い切れない」と前置きした上で「子育て中の母親たちの間で心配が強かった。捜査の進展を前向きに受け止めている」と安心した様子で話した。(大平樹)
 ふれあい館は、外国人市民との共生施策を進める市が、拠点として一九八八年に設置。民族文化の講座やイベントを開いてきている。逮捕容疑では、同館の爆破を予告するはがきも市職員宛てに送ったとされる。市は三月末まで警備員を配備。開館前の周囲の点検などの対応にも追われた。
 市によると、二月の同館利用者は約三千九百人。一月の度重なる脅迫などを受け、前年同月から二千人以上減った。
 三浦さんは「ふれあい館はコロナ禍での子どもの居場所にもなっている。立場の弱い人たちが集まる場所を狙った卑劣な犯行だ」と、脅迫を厳しく批判した。
 同館がある桜本地区は在日コリアンが多く暮らし、排外主義を訴える人たちからヘイトスピーチ(憎悪表現)の標的にもされた。市は昨年十二月、全国で初めてヘイトへの刑事罰を設けた「差別のない人権尊重のまちづくり条例」を制定し、七月一日に全面施行を控えている。
 三浦さんは、市民団体「『ヘイトスピーチを許さない』かわさき市民ネットワーク」事務局でもある。「脅迫は条例制定への反感で行われたと捉えている。市が当事者の痛みを守る意味で告訴してくれたことはありがたかった。今後も差別を許さないまちづくりにつながる」と期待を語った。
 福田紀彦市長は「元市職員が再逮捕されたことは大変残念であり、誠に遺憾なことだ。あらゆる差別を許さないとの決意を持って、今後このような事件が再発しないよう、職員に対する人権教育・啓発を強化し、さらなる人権意識の醸成を図る」とのコメントを出した。

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