横浜・藤沢市の採択、行方は 教科書展示会始まる 中学の歴史・公民で育鵬社

2020年6月13日 07時04分

学習会で教科書の解説をする樋浦さん=藤沢市役所で

 今夏の教科書採択の対象となる中学校の教科書を含む小中高校と特別支援学校の教科書展示会が12日、県内各地で始まった。横浜市と藤沢市では中学校の歴史と公民で、戦争に関する記述で議論のある育鵬社の教科書が使われており、今夏の採択の行方に注目が集まる。 (石原真樹)
 教科書の採択は四年に一度行われる。横浜、藤沢両市教委は二〇一一年と一五年、中学校の歴史と公民で育鵬社版を選んだ。一九年の採択では、二一年度に新しい学習指導要領が実施されるため二〇年度だけの使用になることから、道徳を除いて採択替えをしなかった。
 県が設置する展示会の会場は四十一カ所。会場数や実施日数はほぼ例年通り。相模原市は市青少年相談センターなど四カ所、川崎市は市総合教育センターなど八カ所などとなっている。
 横浜市は十八の図書館が会場だが、新型コロナウイルスの影響で九日まで利用を制限していて、展示会の実施期間の調整が続いており、週明けごろに市のホームページで公表される。
 展示会場や日程、展示している教科書の種別は、県ホームページ=https://www.pref.kanagawa.jp/docs/V3p/cnt/f6671/in=へ。

◆藤沢の市民団体が学習会

 藤沢市の市民団体「藤沢の教科書・採択問題にとりくむ会」は十二日、市役所内の市民向け会議室で、教科書の学習会を開いた。採択に向けて、保護者や市民が市教育委員会に提出する意見書の参考にしてもらおうと企画した。
 取り上げたのは中学校の歴史と公民の教科書。同会の樋浦敬子さんが、戦争や憲法などの記述について、育鵬社版と他社版を比較して解説した。育鵬社版は二〇一一年と一五年の採択の際に各中学校が提出した調査書で明らかに評価が低かったことや、同会が社会科教員を対象に行ったアンケートでも「使いにくい」という感想が大多数だったことなどを紹介した。
 樋浦さんは「教育と政治を切り離して、教員の声を尊重してほしい」と主張した。学習会に参加した主婦の渡部郁(かおる)さん(45)は「育鵬社版は個人より国家を優先させるような内容で、自分で考える力が育たない感じがした」と話した。
 学習会は十七日と二十日にも開かれる。問い合わせは、同会=電090(8029)1895=へ。市内の展示会は市役所分庁舎で二十三日まで、県設置の二会場は七月一日まで。 (吉岡潤)

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