「窓開けられず」「部品落ちたら…」渋谷や川崎で広く不安 羽田新ルート

2020年6月13日 07時23分

羽田空港の新飛行ルートの運用停止を求めて提訴後、記者会見する原告団

 「国土交通省に事故対策を聞いても、ろくな返事もない。議論の場を求め、訴訟に踏み切った」。提訴後、都内で記者会見した羽田問題訴訟の会の須永知男代表(73)は、国への不満をあらわにした。
 着陸機が都心上空を飛ぶのは、南風時の午後三時〜七時。新宿上空は約九百メートル、恵比寿上空は約六百メートルと高度を下げていく。原告に加わった渋谷区の分譲マンションの管理組合理事長(70)は「三千人ほどのマンション住民のほとんどが騒音に怒っている。気持ちを代弁したい」と話した。
 訴訟では、離陸時に川崎市の住宅地やコンビナート上空を飛ぶ新ルートも争点にした。川崎市の石油コンビナートに勤めていた男性(71)=同市=は「消火が難しい危険物が大量にある上、パイプラインで施設がつながっている。部品が落ちてタンクや配管を壊せば大火災が起きる」と危険性を訴えた。
 訴訟に参加していないものの、騒音に悩む住民は少なくない。渋谷区の会社経営の女性(57)は「窓も開けられず、テレビは音量を上げないと聞こえない。コロナ禍が落ち着いて便数が増えると考えると、気がめいる」と怒りを隠さない。
 国交省によると、新ルートの運用を始めた三月二十九日から五月末までに、騒音などの苦情は二千五百四十八件寄せられた。専門家を集め、騒音を減らすための技術的な検討会を月内に設ける予定だが、同省の担当者は「現時点では新ルートの運用は変わらない」としている。 (市川千晴、梅野光春)

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