「同性愛」上司が同僚にアウティング 被害男性が豊島区に救済申し入れ

2020年6月13日 07時23分

性的指向を暴露され、豊島区に人権侵害の救済を申し出て記者会見する男性=12日、東京都内で

 職場の上司に同性愛者だと暴露(アウティング)され精神疾患になった二十代男性が十二日、勤務する保険代理店がある東京都豊島区に、アウティング禁止を定めた区条例に違反するとして、人権侵害の救済などを申し出て、事業者への指導や啓発を求めた。
 申し入れ後、都内で記者会見した男性は「(暴露が)どれだけつらかったか。同じような思いをしている人に、ひとりじゃないと伝えたい」と語り、「行政はこの問題にきちんと対策をしてほしい」と訴えた。
 男性によると、昨年五月、営業職として入社した際、緊急連絡先に同性パートナーの名前を書く必要があり、三十代男性の上司に自身の性的指向を打ち明け、同時に「同僚には自分のタイミングで伝える」と話した。しかし、後日上司が同僚に話したことを知り、職場で広まっているのではといった不安や恐怖から精神疾患を発症。現在も休職中で、労災申請もする予定。
 区の男女共同参画推進条例は、性的少数者への差別を禁止し、「本人の同意なく性自認または性的指向を公表してはならない」とアウティング行為の禁止も明記。人権侵害の救済の申し出があれば、区長の付属機関の苦情処理委員が調査し、関係者へ助言や指導、是正要請ができる。
 区によると、人権侵害による救済申し出は初めて。区男女平等推進センターで申し入れをした男性に、佐々木美津子所長は「アウティングはあってはならないことで、区としても遺憾に思う」と話した。男性の勤務する会社代表は「上司が話したことは事実だが、一部認識の違いがあった。問題の解決に向け話し合いをしている」と説明した。
 今月一日に施行した改正労働施策総合推進法(パワハラ防止法)では、大企業にアウティング防止義務が課せられた。 (奥野斐)

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