英雄?人種差別主義者? チャーチル像巡り対立…極右暴徒化でロンドン中心部が封鎖

2020年6月15日 14時27分

13日、ロンドン中心部で、箱で覆われたチャーチル像の周りに集まったサッカーファンら=AP

 【ロンドン=沢田千秋】英国で反人種差別運動が盛り上がるなか、ロンドン中心部にあるチャーチル元首相の銅像を巡り、撤去か保護かで議論が過熱している。13日には銅像の保護を主張する極右集団が暴徒化し、ロンドン警視庁は銅像の撤去を求めるデモ隊と極右集団が衝突しないようロンドン中心部を封鎖した。
 英BBC放送によると、国会議事堂近くのチャーチル像周辺で、極右集団が警官隊に暴行し、酒瓶や花火を投げ付けた。大半が白人男性で、一部はサッカーの暴力的なファンとして知られるフーリガンだった。ロンドン警視庁は、武器の所持や暴行、薬物使用などで、百人以上を拘束した。
 反人種差別デモ隊もこの日、ロンドン西部の公園で集会を実施。主催者は中心部に近づかないよう参加者に求めたが、一部が突破を試み警官隊に止められた。
 チャーチル氏は、第二次世界大戦でナチス・ドイツに勝利した英雄としてたたえられる一方、「インディアンや黒人に悪いことはしていない。より強く優秀で賢い人種が土地を得た」と、白人至上主義に基づく植民地支配を肯定したとされる。チャーチル像は「レイシスト(人種差別主義者)」と落書きされ、政府は像を箱で覆い破壊行為から保護している。
 ジョンソン首相は十二日、「彼は今日では受け入れがたい発言もしたが、記念すべき英雄だ」とし、像を破壊行為の標的にするのは「ばかげた、恥ずべきこと」と批判した。

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