米兵器爆買いの「象徴」 強引だった地上イージス配備計画

2020年6月16日 07時02分

米ハワイ州カウアイ島にある地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の米軍実験施設=2019年1月(共同)

 地上配備型ミサイル迎撃システム「イージス・アショア」は、安倍政権が米国製兵器を大量に購入する象徴の一つだった。地元住民の理解や有用性、安全性の調査を後回しにして配備計画を進めた結果、事実上の撤回に追い込まれた。
 安倍晋三首相はトランプ大統領から米国製兵器の購入増を迫られた後の二〇一七年十二月、イージス・アショア二基の導入を閣議決定した。政府は山口と秋田への配備は北朝鮮の核・ミサイルの脅威に対処するためだと説明してきたが、自衛隊が米軍と一体化してハワイとグアムの米軍基地を防護する狙いもあると疑念を持たれていた。
 政府は配備予定地の同意を得ないまま、二〇年度予算にミサイル発射装置の取得費や調査費を計上した。購入は米国が価格や納期の設定に主導権を持つ対外有償軍事援助(FMS)で、費用の増大が確実視され、維持・運用に巨額の経費がかかる。安全保障上の有効性も十分に検証せず、採算度外視で導入を図った。
 安倍政権では、ほかにもステルス戦闘機F35や垂直離着陸輸送機オスプレイといった米国製兵器の購入が急増している。購入費を米国に分割払いする「後年度負担」(兵器ローン)の二〇年度時点の残高は過去最大の五兆四千三百十億円に膨らむ。こうした爆買いも費用対効果の検証が不可欠だ。 (後藤孝好)

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